BYD、4nmプロセス技術のSoC「BYD 9000」を発表
中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD、広東省深セン市)はこのほど、業界最先端レベルの4ナノメートル(nm)プロセス技術を採用した自社開発のSoC(システムオンチップ)「BYD 9000」を発表した。
BYD 9000は、マイクロプロセッサのアーキテクチャ「Armv9」に基づいて開発されており、チップの性能は質的に飛躍したという。性能チェックができるAndroidアプリ「AnTuTu(安兎兎)」のテストデータによると、スコアは114万9000~115万と高位で安定。BYD 9000を搭載したスマートキャビンは、さまざまな複雑なアプリケーションをスムーズに実行できる。
さらに5G(第5世代移動通信システム)規格に対応しているため、常時のネットワークへの接続により安定したデータを車両に送信できる。車両とクラウド間の効率的なデータ送信基盤となり、自動運転などの実現に近づけるという。
ただ、同チップに関連するパラメータは、台湾の聯発科技(メディアテック)のスマートコックピットチップ「MT8673」に近く、メディアテックの協力の下で開発したチップである可能性が高いと指摘されている。
一方、BYDは「技術と運転体験の融合」をスマートカーの設計思想に掲げており、BYD 9000の導入がこの目標の実現を後押するとみられている。
BYD傘下の高級車ブランド「方程豹」から発売したSUV(多目的スポーツ車)「豹8」に初めて搭載した。スマート音声アシスタントを通じて、ユーザーは運転中にナビゲーション、音楽、電話などの一連の操作を実現することができるほか、運転の安全性と利便性を大幅に向上させているという。