太陽光発電「特許戦争」激化、ロンジソーラーに逆風

中国の太陽光発電業界で激しい特許戦争が繰り広げられている。晶科能源(ジンコソーラー)の子会社が同業世界大手の隆基緑能科(ロンジソーラー)のディーラーなどを相手取って起こした特許権侵害訴訟の第一審が13日、南昌市中級人民法院で開廷した。

同訴訟案件の本質は、N型TOPcon技術を率いるジンコソーラーと、N型BC(バックコンタクト)技術の路線を堅持するロンジソーラー間の対決の一幕といえる。太陽光発電は主にN型技術とP型技術に分けられ、N型技術はTOPconが近年の業界の主流となっている。

ジンコソーラーは昨年12月以降のわずか2カ月あまりの間に、ロンジソーラーを相手取って6件の訴訟を提起した。訴訟提起の場所は江蘇省から始まり、江西省、さらには日本、オーストラリアへと海外に転じた。これに対抗してロンジソーラーも米国と山東省でそれぞれジンコソーラーを相手取った特許権侵害訴訟を起こしている。

ジンコソーラーは2022年9月に韓国LGグループから太陽光発電関連特許を取得し、その後、その半分近くの特許をパートナー企業である天合光能(トリナ・ソーラー)と晶澳科技(JAソーラー・テクノロジー)に譲渡した。同3社は技術路線が基本的に同じことから「晶晶天」連盟と呼ばれ、これまで提起された太陽光発電技術をめぐる特許侵害訴訟において、原告の地位をほぼ独占している。

ロンジソーラーは昨年に89億元(約1859億円)の赤字を計上した。TOPconが市場の主流技術となっているという現実も重なって、訴訟戦争に巻き込まれたロンジソーラーに吹く逆風は今後さらに強まっていくとみられる。

Tags: , , , , , , , , , , , , ,

関連記事