世界のAIチップ、TSMCの3nmプロセスが主流に

半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)の3ナノメートル(nm)プロセス技術が、今後の世界のAI(人工知能)チップに大量採用される見通しとなっている。

米Intel(インテル)、NVIDIA(エヌビディア)、Advanced Micro Devices(AMD、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)のAIチップ3社がいずれもTSMCの3nmプロセスを次世代アクセラレーターに採用する見通しだ。

AMDはTSMCの3nmプロセスを次世代AIアクセラレーター「Instinct MI355X」に採用する予定だと報じられている。同AIアクセラレーターは次世代アーキテクチャ「CDNA 4」をベースとし、プレミアム性能を提供する。

エヌビディアは、TSMCの3nmプロセスとその派生製品を、2026年に市場投入が予定されているAIアーキテクチャ「Rubin」に統合する予定だ。エヌビディアが聯発科技と共同開発したAI PC向けSoC(システムオンチップ)は、TSMCの3nmプロセスを使用する25年に発売されるとの情報もある。

インテルがTSMCの3nm採用も

TSMCの3nmのAI製品に対して、劣勢に立たされているのは米ファウンドリーのIntel(インテル)だ。インテルはAIチップ向けとして期待されているアーキテクチャ「Falcon Shore」を持つが、自社のファウンドリーサービスを放棄してTSMCの3nmプロセスを採用するとみられている。

市場ではTSMCの3nmプロセスの需要が高まっている。米Apple(アップル)のSoC「A19 Pro」、台湾の聯発科技(メディアテック)の「天璣9400」、さらには米Google(グーグル)の「Tensor G5」など、いずれもファブレス大手が同プロセスを中心に今後の製品ポートフォリオを開発しているとされ、TSMCの3nmプロセスがモバイル端末や自動車、AIが採用されると期待されており、おそらく最も成功したプロセスとなることが予想されている。

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