中国が新世代光量子コンピューターが初披露 計算性能は最強スパコンに匹敵

光量子コンピューターの開発に従事する中国初の企業、図霊量子​(Turingo、上海市)は、11日から13日に上海市で開催された第11回中国(上海)国際技術輸出入交易会(上交会)で、独自開発の光量子コンピューター「「TurningQ Gen2 」を初めて公開した。特定の問題においてトップクラスのスーパーコンピューターと肩を並べるほどの計算能力を持ちながら、そのサイズは一般的な冷蔵庫程度に収まっているのが特徴だ。

「TurningQ Gen2(大規模プログラマブル光量子計算システム)」は、外見が両開きの冷蔵庫のようなデザインで、量子光源ユニット、量子演算ユニット、検出ユニットという3つの中核コンポーネントから構成されている。図霊量子の関係者によると、この装置は56光子の量子優位性を備えており、特定の計算問題では国産スパコン「天河二号」に匹敵する性能を発揮しつつも、設置面積や消費電力は大幅に抑えられているという。

現在、この量子コンピューターは航空宇宙、海洋装備、ビッグデータ、フィンテックなどの先端企業から高い評価を受けており、流体力学構造の最適化や大規模通信負荷の予測といった応用研究が始まっている。

展示会では、同量子計算機の商用化を支える重要部品である110ナノメートル(nm)プロセスによる光子チップも公開した。将来的には、光電融合パッケージング(CPO)技術や微細加工技術のさらなる進化により、計算能力を飛躍的に高めつつ、装置のサイズをノートパソコン程度まで小型化することが見込まれている。

量子コンピューターは、上海市が重点的に推進する「5大未来産業」のひとつである「未来知能」分野に位置づけられており、今回の上交会・張江ゾーンでは40社が出展、60件以上の先端技術が展示されている。この中には、10件以上の世界初技術や20件以上の国際トップレベルの製品も含まれている。

非侵襲型の脳機能インターフェースも

同展示会で、来場者の注目を集めたのが、上海術理智能科技術(上海市)が開発した非侵襲型の脳機能インターフェース診療システムだ。機器は10個以上のセンサーを内蔵したヘッドキャップを患者が装着するだけで、開頭せずに脳波を検知・解読し、思考をもとに義手を操作することが可能となる。損傷した神経系へのリハビリ効果も期待される。

同社によると、この装置はすでに中国国家医療機器認証を取得しており、多くの病院で臨床研究が進められている。1000人以上の実例に基づくと、3〜5週間のリハビリで従来の方法と比べて回復効果が30〜50%向上するという。

その他にも、世界初の生分解性閉塞材、ナノメートル(nm)からミリメートル(mm)単位で細胞を精密操作できる「音響ピンセット」、手話の意味を認識できるロボット、言語生成と対話機能を備えたマルチモーダル型の対話ロボットなどが展示された。

图灵量子

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