TSMCが1.6nmチッププロセスを発表、iPhone 19で初搭載か

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TSMCの1.6nmノードの「A16」プロセス(同社リリースより)

半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)は24日、世界最先端の半導体チップの微細化技術である1.6nmノードの「A16」プロセスを発表した。2026年までに量産が開始され、早ければ27年発売の米Apple(アップル)の「iPhone 19」シリーズに初めて搭載される見通しだ。

「A 」はEmuの単位を意味し、1.6nmには16個のEmuがあることから、「A16」と名付けられた。ナノシート・トランジスタと新しいバックサイド・パワー・ソリューションを組み合わせた。バックサイド電源は、チップの裏側から電力を供給し、チップの表側にデータ相互接続のためのスペースを確保している。TSMCの2nm の「N2P」プロセスと比較して、A16は同じ正電圧で8~10%の高速化、同じ速度で15~20%の低消費電力化、1.10倍のチップ密度向上を実現した。

TSMCはまた、1枚のウェハー上に複数のチップを集積し、チップ密度を高めて演算能力を向上させる新しいSoW技術も発表している。

■27年のiPhone 19で採用か

A16に加え、TSMCは2nm N2プロセス・チップにも「バックサイド・パワー」技術を採用すると発表しており、2025年後半には顧客に提供され、26年には本格的な量産が開始される予定だ。

iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxに搭載されたA17 Proチップは、TSMCの3nmノードプロセスを世界で初めて採用したものだ。情報筋によると、今年発売予定のiPhone 16とA18チップには、TSMCの3nm N3Eプロセスが採用される。

2025年に発売される米Apple(アップル)の「iPhone 17」シリーズには、TSMCの2nm N2チップが採用される可能性が高い。TSMCは昨年末、25年に発売が予定されている2nmチップのプロトタイプをアップルに初めて見せたと伝えられている。

TSMCは、「1.6nmA16チップはまずスマートフォンではなくAIチップで使用される」としているが、アップルは新プロセスの積極的な採用を進めており、早ければ27年に発売されるiPhone 19シリーズで1.6nmチップを目にすることになるとみられている。

■インテルの「14A」プロセスと対抗

A16プロセスのチップは、米Intel(インテル)の「14A」プロセスがライバルとなる。インテルは今年2月、TSMCと同様のバックサイド・パワー・ソリューション技術によって「世界最速のチップ」を作ると発表した。

TSMCの事業開発担当上級副社長である張暁強氏は「TSMCのA16チップの製造にはオランダASMLの高開口数EUVリソグラフィー装置を使用する必要がない」と述べている。一方、インテルは先週、14Aチップの開発にこれらの装置を使用すると発表している。 TSMCはA16の製造において、インテルの14Aより一歩先を行く可能性がある。

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