バイトダンス、5nmのAIチップを開発中か
動画投稿アプリ大手「TIKTOK(ティックトック)」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)がAIチップの安定確保するため、米ワイヤレス半導体のBroadcom(ブロードコム)と共同でAI(人工知能)プロセッサの開発を進めている。
24日付騰訊新聞などが情報筋の話として伝えた。同プロセッサは5ナノメートル(nm)のASIC(特殊集積回路)で、米国の新たな輸出規制を遵守して製造は半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)に委託される見通し。 チップの設計作業は順調に進んでいるものの、まだ試験生産(フロー)の段階ではなく、TSMCが今年中にチップを生産することはないとしている。
ASICは、最大性能と低消費電力、費用対効果を実現するために硬化アルゴリズムを介した特定のアプリケーションシナリオのための専用チップで、初期投資が大きく、長い研究開発(R&D)期間が必要とされている。
一方、バイトダンスとブロードコムともに報道時点ではコメントを出していない。 TSMCはコメントを拒否している。
■AI開発を強化
世界で生成AIが爆発的に普及する中、バイトダンスはここ1年ほど、大規模言語モデル(LLM)からアプリまでの開発を加速している。LLMの分野では2023年8月に、同社開発のチャットボット型生成AI「豆包」とマルチモーダルのLLM「BuboGPT」をリリースした。
AIアプリ分野では、昨年11月に新しいAI部門「Flow」を設立し、「豆包」「扣子」「Cici」の3つのAI対話製品を発表した。豆包はチャットボット製品で、Q&A、テキスト生成、言語翻訳などさまざまなタスクをこなすことができ、パーソナライズされたサービスを提供することもできる。
AI関連のハードウェア分野向け投資も加速している。 同社が買収したヘッドセットブランド「Oladance」のウェアラブルAIデバイスなどがある。
AIコンピューティングパワーの最下層では、バイトジャンプ傘下の企業向け技術サービスプラットフォーム「火山引擎(Volcano Engine)」が初めて独自の動画符号チップをリリースした。
またバイトダンスは米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)のGPU(画像処理半導体)「A100」「H800」などの製品を買いだめしているとされる。ブロードコムは公式声明で、バイトダンスがブロードコムの5nm高性能スイッチチップ「Tomahawk」とAIコンピュータクラスタ用スイッチ「Bailly」を購入したと発表している。