バイトダンスの独自AIチップ、26年前までにTSMCが量産化か

動画投稿アプリ大手「TIKTOK(ティックトック)」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)が独自のAI(人工知能)チップの開発ペースを加速させている。2026年前までに半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)が量産化し、熾烈化する中国AIチャットボット市場での競争力強化が狙いだ。

米The Informationの16日報道などによると、バイトダンスは26年までに自社開発の半導体チップ2種類の量産化を実現するため、TSMCと協力する計画だ。AIモデルの開発と実行分野で高価な米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)製GPU(画像処理半導体)への依存度を下げる狙いだ。

バイトダンスを含む中国の大手ハイテク企業は軒並み、すでに社内用と社外販売用に独自の大規模言語モデル(LLM)を立ち上げているが、価格競争が激化。アリババや百度(バイドゥ)などが自社LLMの使用価格を97%も引き下げている。

バイトダンスは23年、同社初のAIチャットボット「豆包」をリリースした。米OpenAIの生成AI「ChatGPT」と同様のテキストと画像生成ができるとしている。今年は、低価格LLMサービスを立ち上げ、OpenAIの同等品よりも最大99%低い価格となっている。

一方、バイトダンスの生成AIモデルの開発費は増加の一途をたどっている。同社は今年、米国の輸出規制下で中国への販売が許可されているエヌビディア製の最先端チップ「H20」を20万個以上発注したという。この注文の総額は20億米ドル(約2816億円)以上に及ぶとされている。

バイトダンスは自社設計の訓練・推論用のAIチップをTSMCに数十万個発注する予定だ。これらの自社設計チップのコストは、エヌビディアからチップを購入するよりも数十億米ドル節約できる見込みだという。

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