広汽集団、ドローン型の「空飛ぶ車」を披露
中国自動車大手、広州汽車集団(GAC、広東省広州市)は26日、自社開発を進めていたeVTOL(電動垂直離着陸機)型の空飛ぶ車「GOVE」を初披露した。中国で空飛ぶ車によるドローンタクシーの実用化に向けた開発が加速している。
同日に広州市内で開催された同集団のイベント「広汽技術日(テクニカルデー)」で、GOVEを飛行させるデモンストレーションを初めて行なった。開発を主導した広汽研究所の呉堅所長によると、GOVEは垂直離着陸が可能で、デュアルバックアップマルチローター飛行システムを装備しており、飛行の安全性を確保している。広汽は、将来的に同集団傘下の配車サービスの「如祺出行」などと提携して旅行ソリューションを構築する方針だ。
空飛ぶ車は近年、国内外の企業による投資の焦点となっている。独フォルクスワーゲン(VW)や米フォードなどの外資系自動車メーカーが市場に参入し、中国では吉利汽車や小鵬(シャオペン)などの国内企業が空飛ぶ車を開発に着手している。
広汽集団は昨年7月、空飛ぶ車(eVTOL)の開発に向けて、飛行体構造設計担当エンジニア、飛行体着陸装置設計担当エンジニア、飛行体測定制御エンジニアの募集を開始した。
eVTOLはの利点の一つは、余分な長さの滑走路を必要とせず、ヘリコプターのように離着陸できることだ。遠隔操縦や自動操縦による操作もできるため、将来は客を乗せて飛び、目的地まで届ける空飛ぶタクシーとして活用も期待されている。