中国企業がHBM量産準備、生成AIブームで需要急増

生成人工知能(AI)の普及で需要が急速に高まる高帯域幅メモリー(HBM)市場への本格参入に中国企業が動き始めている。HBMは非常に高いデータ転送速度を持ったDRAMで、2013年に初めて製造された。中国は同分野で出遅れているものの、複数企業がHBMの開発に乗り出した。

中国最大手の半導体メモリーメーカー、長江存儲科技(YMTC)は先ごろ、現時点でHBMの量産を行っていないが、新規株式公開(IPO)計画を進めている子会社の武漢新芯集成電路製造がHBMの開発・生産に従事する可能性があると表明した。

企業情報サイト「企査査(Qichacha)」によると、武漢新芯は今年2月、12インチのHBMウエハーを月3000枚生産できる工場を着工した。同情報について、長江存儲と武漢新芯はコメントを控えた。

DRAM中国大手の長キン存儲技術(CXMT)は、HBM製造で国内をリードする存在だ。アナクアの特許データベース「アクレイムIP」によると、長キン存儲は米国、中国、台湾で、HBMチップの製造と機能に関連するさまざまな技術的問題に及ぶ130件近くの特許を出願した。このうちの半数超は24年に出願した。

HBM市場は韓国のSKハイニックスがトップシェアを掌握し、その背中を米マイクロン・テクノロジーとサムスン電子が追っている。HBMの最新規格である「HBM3」はSKハイニックスが業界に先駆けて量産体制に入り、ほか2社も年内の量産を計画している。

ただ第一財経によると、米調査会社ガートナーの盛陵海アナリストは「中国はHBMチップのパッケージング技術を擁するが、チップ製造技術は未熟だ。また中国のメモリーメーカーが開発を進めるHBMは、旧世代技術の「HBM2」をベースにしている」と指摘する。

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