中国製AIチップ、エヌビディア製の代替加速 海光も先進半導体
米政府が中国への半導体輸出規制を強化し、人工知能(AI)に使われる先端半導体の輸出を厳しく制限するなか、中国企業は規制の対象となる米半導体大手、NVIDIA(エヌビディア)の製品に代替するAIチップの開発を積極的に進めている。
中国の国産半導体メーカー、海光信息技術(Hygon Information Technology、天津市)が新たに開発したDCU(ディープラーニング・コンピューティング・ユニット)と呼ぶ高性能プロセッサは、2代目改良版がエヌビディア製品の8割に相当する性能水準に到達した。
海光は米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)から技術ライセンス供与を獲得し、サーバー向けチップの開発に取り組んできた。同社のX86プロセッサと互換性を持つことから、中国のサーバー向けチップ市場で大きなシェアを持つ。
ここ数年で開発競争が過熱しているAIチップの分野にも進出し、エヌビディア製品の代替をめざすDCUを開発した。1世代目はエヌビディアのハイエンドGPU「A100」の5割ほどの性能だったが、2代目改良版が完成したとされる。
海光は自社のサーバー向けチップがインテルとAMDのサーバーチップと互換性を持つことが強みだ。中国企業は、海光のサーバー向けチップをベースに、DCUを搭載することで、AIビッグモデルの計算力をさらに増強できる。