米インテル、台湾TSMCとファウンドリー新会社設立か

米政府が後押し=米紙報道

米国政府が、半導体大手のIntel(インテル)に対し、台湾の半導体受託生産(ファウンドリー)世界大手、台湾積体電路製造(TSMC、台積電)と合弁会社を設立し、米国内で複数のファウンドリー関連プロジェクトを所有・開発するよう求めているもようだ。

米証券会社Baird (ベアード)のアナリスト、Tristan Gerra(トリスタン・ジェラ)氏の調査報告として米ウォールストリートジャーナルが報じた。

報道によると、インテルは同社のファウンドリー部門「Intel Foundry(インテル・ファウンドリー)」を分離し、TSMCと設立する合弁会社に合流させることを検討している。米政府当局は、インテルに対しすでに建設済みおよび建設中の米国の3ナノメートル(nm)および2nmプロセス工場を新会社の運営に移行するよう要請したという。

一方、TSMCは、米国の半導体産業の振興法「CHIPSおよび科学法(CHIPS法)」に基づく連邦政府補助金の支援を受け、新会社に主要な半導体技術者と技術的専門知識を提供し、米国での先進的な3nmおよび2nm半導体生産をサポートする。

アナリストは、ファウンドリー部門の分離によってインテルはキャッシュフローに大幅な余裕ができ、半導体設計とプラットフォーム・ソリューションに集中できるようになるほか、合弁でのファブ事業が成功すれば、地理的に信頼できる製造代替先を探している主要なファブレス企業を惹きつけることができると分析している。

JDバンス米副大統領も12日までフランス・パリで開かれていた「AIアクション・サミット」でのスピーチで、「米国の先進的なAI(人工知能)チップは現地で設計・製造される」と大々的に宣伝しており、この報道に真実味が加わっている。

インテルとTSMCの両社は、報道時点ではこのニュースを肯定も否定もしていない。

インテルのファウンドリー事業「Intel Foundry」は、長い間インテルの他の部分とは別に運営されてきた。市場では長く、同事業の不振を受けて分離するのではないかと予想されている。

インテルは1月30日に発表した2024年度第4四半期(10〜12月)の売上高は、前年同期比7%減の142億6000万米ドルと3四半期連続の減収となったが、市場予想の138億1000万米ドルを上回り、調整後の1株当たり利益(EPS)は0.13米ドルと市場予想の0.12米ドルを上回った。純利益は前年同期の26億8700万米ドルから13億米ドルの赤字に転じていた。過去12カ月間で188億米ドルの損失を積み上げており、GAAP(米国会計基準)ベースで黒字を達成できるのは早くても26年以降になると予想されている。

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