ロシア、2030年まで25.4億米ドル投じリソグラフィー装置など国産化へ

ロシアは、2030年までに2400億ルーブル(約3700億円)以上を投じて半導体製造設備の70%を国産化するプログラムを開始する。外国製半導体製造装置への依存からの脱却を目指す。各種研究開発(R&D)プロジェクトを110以上立ち上げ、最終的には28ナノメートル(nm)クラスのプロセス技術を使用してチップを製造できるようにする。

仏メディアCNewsによると、ロシアの半導体チップメーカーのAngstremやMikronなどは、65nmや90nmを含むさまざまなプロセスノードでチップを製造している。半導体チップ製造に使用される400種類の装置のうち、現在、ロシア国内で製造できるのはわずか12%にとどまる。ウクライナ侵攻などによる制裁措置が状況をさらに複雑にしており、主要な装置は国内に密輸入しなければならないため、装置コストは40~50%上昇している。

コストを削減し、外国製装置への依存度を下げるため、ロシア産業貿易省と政府系企業のMoscow Institute of Electronic Technology (MIET)はこのほど、装置や原材料の約70%の国内代替品の開発に焦点を当てたプログラムを開始した。

同プログラムは、物理的装置、原材料、電子設計自動化(EDA)ツールなど、チップ製造のあらゆる側面が対象。180nmから28nmまでのマイクロエレクトロニクス、マイクロ波エレクトロニクス、フォトニクス、パワーエレクトロニクスなど、20の異なる技術ルートを開発する。開発された技術の一部は、フォトマスク製造や電子モジュール組立にも使用する。

具体的な目標としては、2026年末までに350nmおよび130nmプロセス技術用のリソグラフィー装置と、150nm製造ノード用の電子ビームリソグラフィー装置を開発する。さらに、化学気相成長法によるエピタキシー装置も数年以内に開発する予定だ。ロシア産業貿易省は国内半導体産業がシリコンインゴットを生産し、ウエハーに切断できる技術の確立を支援する。

さらに30年までに、ロシアは65nmまたは90nmプロセスのウエハーに対応できる国産リソグラフィー装置の製造を目指す。

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