ロシアが先端技術分野に投資、リソグラフィー装置内製化へ

ロシアが欧米に対抗し、今後の経済安全保障の鍵を握る先端技術分野への投資を拡大している。最先端の半導体チップの製造で重要な役割を担うリソグラフィー装置の内製化を目指すほか、2030年までに10台の国産スーパーコンピューターを完成させる目標を定めた。

ロシアメディアによると、ロシア産業貿易省のVasily Shpak副大臣はメディア取材で、2024年に350ナノメートル(nm)対応リソグラフィー装置の生産を開始し、26年には130nm対応装置の生産を始めるとのタイムスケジュールを明かした。リソグラフィー装置の生産は、モスクワ、ゼレノグラード、サンクト・ペテルブルグ、ノヴォシビルスクの既存工場で進めるという。

Shpak氏は、「最先端のリソグラフィー装置は現在、蘭ASMLとニコンの2社のみが生産技術を持っている。半導体分野の主権を掌握できなければ、技術主権も確立できず、これは国防の安全と政治主権の脆弱化につながる。ロシアは現在、海外のリソグラフィー装置を用いて、65nmプロセス対応チップの生産技術を掌握しているが、欧米各国によるハイテク製品の対ロ輸出規制を受けて、リソグラフィー装置の自国開発を積極的に進めている」と述べた。

その上で、「ロシアは来年、リソグラフィー装置を含む電子製品の開発支援に、2,114億ルーブル(約3,424億6,800万円)の予算を投入する」と明かした。

■10台のスパコンも整備へ

スパコンに関しては中国メディアの『IT之家』が10月、海外メディアの報道を引用して、「ロシアは2030年までに10台のスーパーコンピューター群を完成させる強気目標を定めた」と伝えた。スパコン1台当たり米NVIDIAのAI用GPU(画像処理半導体)「H100」を1万~1万5,000収納できるサイズといい、これは同国に、ChatGPTなど生成AIのトレーニングに使うスパコンを提供することになるだろう。

足もとでロシア最強のスパコンは、Yandex(ヤンデックス)社の「Chervonenkis(チェルヴォネンキス)で、世界性能ランキングは27位。ロシアはスーパーコンピューターの計算速度の世界ランキング「TOP500」に7台がランクインしており、そのうちの3台はYandex製だ。

上位500台の内訳は、米国が最多の150台で、これに中国134台、ドイツ36台、日本33台が続いた。

Yandexは10月初旬のメディア取材に対し、同社が開発した「YandexGPT」は、米OpenAIのChatGPTと比較して、より大きなポテンシャルを持つと表明した。

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