中国の国産CPU「龍芯」に期待強まる、インテル依存から脱却
米インテルのほぼ独占状態にあるCPU(中央演算処理装置)の分野で、中国企業の龍芯中科技術(北京市)が独自開発した国産CPU「龍芯」に期待が高まっている。
龍芯は当初、ミップス・コンピュータシステムズ(現ミップス・テクノロジーズ)が開発したMIPSアーキテクチャを採用していたが、その後、MIPSをベースに独自拡張された「LoongISA」を使用するようになり、最終的には独自アーキテクチャ「LoongArch」を開発し、MIPSに依存しない命令アーキテクチャを完成させた。
さらに、龍芯の性能は急速に高められており、すでに米半導体大手のインテルに追い付く勢いにある。龍芯中科技が11月末に発表した、LoongArchを採用した次世代4コアCPU「3A6000」は、総合性能がインテルの「i3-10100F」の水準に到達。すなわち、第10世代インテルCoreプロセッサーのレベルに達した。
「3A6000」は、多くの領域においてインテルとAMDのCPUに代替できるとして、発表間近の際は「国産CPUの歴史的な快挙」と中国のネットが沸騰した。
CPU領域は足元でインテルの「x86(x86アーキテクチャ)」が9割のシェアを独占し、なかでもデスクトップPCでは無双状態にある。中国の半導体の製造能力を抑え込もうとする米国主導の包囲網が強まるなか、中国はX86依存からの脱却を図っている情勢だ。