小米、自社開発SoCを「年次更新」へ
AIアシスタントでGoogle Geminiと連携

中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ、北京市)が高付加価値技術分野へのシフトを加速させている。自社開発チップとAI(人工知能)戦略という2つの戦線で同時に攻勢を強め、米Apple(アップル)や韓国サムスン電子を視野に入れた垂直統合モデルの構築を進める構えだ。
小米の盧偉冰総裁は3日、米CNBCのインタビューで、自社開発SoC(システム・オン・チップ)を毎年アップグレードする計画を明らかにするとともに、海外市場向けに独立したAIアシスタントの投入を準備していると語った。この発言は、同社が中核技術の内製化において実質的な一歩を踏み出したことを示すものであり、チップの進化ペースをAppleに並ぶ水準へ引き上げる意欲を意味する。
市場関係者は、小米がチップ、OS(オペレーションシステム)、AIアシスタントを深く統合することで、米Qualcomm(クアルコム)や台湾の聯発科技(MediaTek)といった外部ベンダー依存型とは異なる差別化の壁を築き、2027年に計画する欧州電気自動車(EV)市場参入に向けてAIエコシステムの基盤を先行整備する狙いがあると分析する。
小米は25年、初の自社開発SoC「玄戒O1」を発表した。3ナノメートル(nm)の先端プロセスを採用した同製品について、盧氏はスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress(MWC)」の期間中、「これは当社初のチップ製品であり、今後は毎年1回のアップグレードを行う」と述べた。新世代チップはまず中国国内で発表される端末に搭載され、その後、海外市場向けモデルへと順次展開される予定だという。
SoCを毎年刷新するには巨額の投資が必要であり、これはアップルが自社SoC「A」シリーズを毎年更新してきた慣例と歩調を合わせるものだ。現在、アップルはAシリーズ、サムスン電子は「Exynos」ブランドを展開しているが、多くのスマートフォンメーカーはいまだにクアルコムや聯発科技の第三者製SoCに依存している。
なお、昨年9月には小米副総裁が毎年の新チップ投入を確約できないと発言していたが、今回の盧氏の明言は、社内でのチップ戦略に対する自信が大きく高まっていることを示す。雷軍最高経営責任者(CEO)はすでに、今後10年間で少なくとも500億元(約1兆1400億円)を自社開発チップに投じると表明している。
自社SoCの戦略的価値はハードウェアそのものにとどまらない。盧氏は、今年中に自社開発SoC「玄戒O1」、独自OS「HyperOS」、そしてAIアシスタントを単一デバイス上で初めて統合すると説明し、まずは中国市場で展開し、最終的には海外市場にも導入する意向を示した。
小米はAndroid(アンドロイド)をベースに独自モバイルOSである「HyperOS」を開発しており、中国市場では自社開発の基盤モデルを活用したAIアシスタント「小愛」を搭載している。こうしたチップとソフトウェアの緊密な統合は、アップルが長年築いてきた競争優位の核心であり、小米は同様の道筋をたどることで製品の差別化を図る考えだ。
さらに、27年に欧州市場へ投入予定のEVと連動し、国際市場向けAIアシスタントの開発も進める。盧氏は「当社の自動車が海外市場に進出する際、AIエージェントも同時に展開される」と語った。海外向けAIアシスタントの基盤モデルについては、米Google(グーグル)との協業を模索し、同社の生成AI「Gemini」を採用する可能性を示唆しつつ、自社モデルとの統合も進める方針だという。この手法は、複数のAIモデルを統合しながらGeminiを積極活用するサムスンの戦略に近い。小米の最終目標は、スマートフォンと自動車という二大製品ラインを横断する統一的なAI体験を構築することにある。



