米クアルコムが最新SoC発表、AIエージェント機能搭載

スマートフォン向けチップ市場で新たな戦いが始まった。聯発科技(メディアテック)が先週、新型フラッグシップチップ「天璣(Dimensity)9500」を発表したのに続き、米Qualcomm(クアルコム)は25日、モバイル向けSoC(システム・オン・チップ)「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を正式発表した。半導体受託生産(ファウンドリー)世界大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)の最先端技術である3ナノメートル(nm)プロセスを採用し、AI(人工知能)エージェント機能を大きな特徴として打ち出す。
すでにHonor(栄耀)、OPPO、vivo、Xiaomi(小米)など複数のメーカーが、このチップを搭載したスマートフォンの投入を予定している。
クアルコムによると、「Snapdragon 8 Elite Gen 5」は真のパーソナライズドAIエージェントを実現する初のモバイルプラットフォームで、ユーザーのニーズに応じてアプリを横断し、最適な操作を自動で実行することが可能。端末内での継続的な学習とリアルタイム認識により、マルチモーダルAIモデルがユーザーの意図を深く理解し、状況に応じた提案やガイダンスを提供する。なお、すべてのデータは端末内に留まり、プライバシーが確保される。
さらに、世界で初めてAPV(Advanced Professional Video)コーデックによる録画をサポートするモバイルプラットフォームでもある。これにより、スマートフォンでのプロフェッショナル映像制作が可能となり、AI駆動の革新的なカメラ技術と組み合わせることで、スタジオクラスの撮影体験や細やかな後編集を実現。クリエイターの芸術的ビジョンを具現化することができるという。
性能面でも大幅な進化を遂げた。第3世代のCPU(中央演算処理装置)「Qualcomm Oryon」は前世代比20%の性能向上を実現し、同クラス最速を誇る。新アーキテクチャのGPU(画像処理半導体)「Adreno」はグラフィック性能を23%向上、高性能AI演算を担うNPU(ニューラル処理ユニット)「Hexagon」は37%の処理能力向上を達成した。これにより、処理性能、電力効率、AI演算のすべてで大幅な強化が図られている。



