中国、「ゼネアビ向け機材」の開発・実用化を推進
中国の工業情報化部、科学技術部、財政部、中国民用航空局の4部門は27日、小型航空機やヘリコプターなどのゼネラル・アビエーション向け機材の開発・実用化を推進していく実施案を発表し、2030年までに1兆元(約21兆3100億円)規模の市場を形成するとの目標を示した。
実施案は、汎用航空機器の技術レベルを早期に引き上げ、機器の信頼性、コストパフォーマンス、先進性を高めると標榜。中・大型の固定翼機、高原型無人ヘリコプター、ドローンなどの適航認定・実用化を進めて、国内全域の災害救助に対応できる体制を整えることや、ローカル物流やラストワンマイル向け配送ドローンの開発・生産、実用化を後押ししていくことを掲げた。
さらに、「スマートエアモビリティ機器の発展を支持し、電動垂直離着陸機(eVTOL)などの新しい汎用航空設備の解禁を推進していく」「空飛ぶクルマの技術開発、製品検証、商用化・実用化シーンの探索を奨励する」との文言も盛り込んだ。
eVTOLは民間企業での開発競争が加速している。中国自動車大手の浙江吉利控股集団傘下で、「空飛ぶ車」の開発を手掛けている吉利沃飛空(四川省成都市)は今年1月、eVTOL「AE200」が中国初の有人eVTOLとして中国民用航空局(CAAC)から耐空性検証の認可を取得したと発表した。
中国の新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(シャオペン、広東省広州市)は昨年8月、傘下の広東匯航空航天科技(広州市、小鵬匯天)が開発したeVTOL「旅航者X2」について、湖南省長沙市で長江を渡る飛行実験を行い、成功した。
28日付21世紀経済報道によると、中泰証券は、「低空経済は、政府が掲げる『新たな質の生産力』の発展方針に合致する。eVTOLは滑走路が不要で騒音が少なく、低空サービスの主役になっていくことが見込まれる」と分析した。