SMICが5ナノ半導体生産へ 華為の次世代プロセッサに対応
米フィナンシャル・タイムズによると、中国の半導体最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)が、回線路幅5ナノメートル(nm)の半導体を製造する最先端工場を建設する計画を進めている。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が設計した次世代プロセッサの大量生産に対応するための動きとされ、早ければ年内にも稼働する。
報道によれば、SMICは旧型のDUV(深紫外線)露光装置を使っての5ナノ半導体の生産を目指している。
米国の対中半導体規制の下、極端紫外線(EUV)露光装置大手の蘭ASMLは、最先端チップの生産に必要な先進設備を中国の顧客に提供することが禁止されており、SMICと華為は一世代前の露光装置を使用せざるを得ない状況にある。
業界関係者は、「SMICがEUVなしで5ナノ半導体を量産することは可能だが、生産規模は限定的で、かつ歩留まりの悪さから生産コストはかなり割高になり、量産化は難しい」との見方を述べた。
華為が昨年に発売したスマートフォン「Mate 60」は、SMICの7nmプロセスで製造された「麒麟9000s」チップが搭載された。華為は次の新しいスマートフォン「Mate 70」の発売を近く予定しており、その搭載チップは「麒麟9000s」の性能を上回るとみられる。
また別の報道によると、「Mate 70」の発売前に、華為はフラッグシップスマホ「P70」シリーズを発売すると予想されている。「P70」には未発表の新型プロセッサ「麒麟9010」が搭載されるとの情報もあるが、どの露光装置を使用するかは不明だ。