インドネシア、EVの輸入税制を緩和 中国新エネルギー車の主要輸出国に
米ロイター通信によると、インドネシア政府が2025年までに一部の自動車メーカーに対し、完成した電気自動車(EV)の輸入にかかる税金を減免する方針だ。中国新エネルギー車の主要輸出国になる可能性が出てきた。
新しい規則では、インドネシアにEV工場を建設する企業、EVへの投資を増やす予定の企業、EVに関連する投資を計画している企業が減税の対象となる。
インドネシアのこれまでの税制優遇措置は、輸入車のCKD部品のみを対象としていたが、新規則では、輸入完成車に対する税金が対象となり、輸入税と贅沢品消費税の一時的な取りやめ、州政府が課税する税金に対する優遇措置も含まれる。
世界のニッケル埋蔵量の22%を占めるインドネシアは、EVの中・長距離バッテリーの主要原料であるニッケルの世界最大の生産国である。インドネシア政府は、この資源の優位性を活かして、インドネシアをEV産業のグローバル・サプライチェーンの重要な構成要素として確立させる意向だ。2035年までにEVの生産台数を100万台に増やすことを目標に掲げている。
この目標を達成するため、インドネシアはEVに対する一連の優遇政策を打ち出し、現地化要件を緩和し、少なくとも40%の現地化を必要とする企業がインドネシアでEVを生産する実施期限を23年から26年に延期した。
近年、インドネシア市場に参入する中国企業も増えている。7月にはNezha Motorsもインドネシアのパートナーと協力覚書に調印し、両社とも2024年第2四半期以降の現地生産を計画している。 寧徳時報などのバッテリーメーカーもインドネシア企業と協力している。
BYDもインドネシアを重要な中継地としている。 今年半ば、BYDはインドネシア政府とも、電気自動車分野を含む中国・インドネシア間の投資の可能性を探ることを目的とした覚書に調印した。 インドネシア最大のタクシー事業者であるBlue Birdも、EVの80%をBYDから購入する計画を発表し、BYDの車両の方が費用対効果が高いため、Teslaの発注を見直している。
市場調査会社Canalysの最新レポートによると、中国の自動車輸出は2023年に540万台に達し、そのうち新エネルギー車は40%の220万台を占めるとみている。 インドネシア市場のさらなる開放に伴い、将来的には重要な輸出市場になるとみられている。