上海汽車、地平線機器人と提携=AIチップに進出
中国自動車最大手の上海汽車集団(SAIC)は10日、自動運転向け人工知能(AI)チップメーカーの北京地平線機器人技術研発(ホライズン・ロボティクス)と戦略的提携を結んだと発表した。自動運転用AIチップの研究開発(R&D)チームを作り、次世代型スマートドライブ用コントローラとシステムの開発を目指す。智能製造網が伝えた。
今回の提携により、上海汽車はコネクテッドカー関連技術と中国市場から得たビッグデータを、地平線機器人はAIチップやアルゴリズム、プログラム技術をそれぞれ提供。先進運転支援システム (ADAS)や自動運転などの領域で協力するほか、米の電気自動車(EV)大手、テスラの完全自動運転向けソフトウェア「FSD」に続く次世代型スマートドライブ用コントローラとシステムを開発する計画だ。
上海汽車は2017年に地平線機器人との提携を開始した。19年にはB輪融資で出資、20年にもコネクテッド技術開発のための「AI聯合実験室」を共同設立している。同社の21年1月の販売台数は前年同月比33%増の8万台を突破し、このうち新エネルギー車(NEV)は118%増の1万4,000台を超えた。2月には、世界初となる第5世代(5G)移動通信システムを使ったスポーツタイプ多目的車(SUV)タイプのEV「MARVEL R」を発売した。
地平線機器人は2015年に設立、独自技術で中国初のエッジAIチップの量産化に成功し、スマートドライブ用AIチップなどを製品化。先進運転支援システムの分野では、日本、中国、米国、ドイツの世界4大自動車市場で事業を展開している。
日本で発生した地震や米国テキサスの豪雪の影響を受け、中国では、データ保存用のストレージ、半導体の基板材料のシリコンウエハー、自動車用チップなど多くの部品の生産が停滞するなどした。中国の自動車業界では、コア製品の国産化を加速させる狙いもある。