今年はAI普及年に、中国信息通信研究院が報告書

中国国営の通信分野の専門シンクタンク、中国信息通信研究院(北京市CAICT)が、今年は人工知能(AI)が普及拡大する「AI普及年」になるとの報告書を発表した。1月31日付火説科技挙報が伝えた。

報告書によると、2020年の世界のAI産業規模は1,565億米ドル(約16兆4,000億円)で成長率は12%増、そのうち中国のAIの産業規模は約3,100億元(約5兆2,000億円)で成長率は15%増となっている。

国務院(中央政府)は15年、AIの発展も国家戦略に盛り込んだ製造業の高度化計画「中国製造2025」を発表した。17年にはAIの将来的な発展の道筋を示した「新一代人工知能発展規劃」を通知し、30年までにAI分野で世界をリードし、国家戦略で高い成果を挙げる目標を掲げている。

5G(第5世代移動通信システム)時代の到来とともに、新華通訊社(新華社)が人間の口調でニュースを伝えるAIキャスター「小新」を発表。19年には広東省人民医院と広東高州市人民医院で、中国初のAIと5Gを融合した技術で心臓患者の手術を成功させている。

AIの開発を推進するに当たり、大学など高等教育機関に専門研究所の設置も進めている。16年に復旦大学に「南商知能ロボット聯合研究センター」を設立したのを皮切りに、17年には全国60大学でロボットやAIの専門課程が開設されたほか、現在までに100以上の大学でAI専門の学科が設けられている。

中国の技術分野で最高研究機関である中国工程院(の院士潘雲鶴氏は「ビッグデータとAIは、国内の製造、金融、都市、商業、交通、安全など多方面で重要な役割を果たすようになっている。今後は、さらに地方自治体の運営の管理や、産業チェーンの分析・判断など各分野でAIが普及するだろう」と指摘した。

2021年:人工智能的普及之年

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