「ChatGPT」発のAIブーム、中国製造業のAI活用促進に

超高性能人工知能(AI)として注目される「ChatGPT」が世界に新たなAIブームをもたらしている。このAIブームは、中国の製造業のAI応用を一段と後押しするものとなりそうだ。

智能制造網によると、中国の科学技術部は、AIを戦略性新興産業とみなし、強力な支援を継続する立場を明らかにしている。工商和信息化部も、5G(第5世代移動通信システム)、AIに代表される重点分野の発展に力を注ぎ、新しい応用シーンを開拓していくとの方針を示している。

科学技術部はChatGPTに関する質問を受けた際、「自然言語処理(NLP)に基づく人間・機械間の音声対話はAI発展の重要な方向だ。ChatGPTは音声対話ロボットの高い技術レベルを示すものであり、かつ、大規模言語モデルが汎用AI向けの特徴を備えたことを示すものであり、多くの業界において広範な応用潜在力を持っている」と回答した。

製造業に関して言えば、AI活用場面の創造は、AI技術の進化と、AI産業の育成を進めていく上での新しい道筋となり、AIと製造業の融合を一段と推進することが期待される。

中国政府の関連6部門は2022年8月、「AIの高度な応用によるイノベーションの加速と質の高い経済発展の促進に関する指導的意見」を発表し、「小巨人」企業(専門化、精細化、特色化、斬新化の特徴を備えた中小企業)、ユニコーン企業、AIスタートアップによるAIの社会実装に向けたイノベーションを大々的に支援していくと表明。製造分野においては、製造支援ロボット、ロボットビジョン検査システムなどのAI活用シーンの導入を優先的に探索していくとの指針を示した。

工業・情報化部のデータによると、中国のAI中核産業の規模は22年に4,000億元(約7兆7,760億円)を超え、企業数は3,000社、産業規模は5年間で2.6倍になり、世界に占める割合は16.8%に増加した。中国のAI関連の特許出願の世界での割合は、過去10年間で13%から70.9%に拡大した。

Tags: , , , ,

関連記事