華為の最新スマホ「Mate 70」、独自路線で米制裁を克服か
中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、広東省深セン市)は、来月に発売する次期フラッグシップスマートフォン「Mate 70」シリーズを動かすSoC(システムオンチップ)として、回路線幅7ナノメートル(nm)の先端プロセスで生産した「麒麟 9100」を採用する。同半導体は半導体大手のQualcomm(クアルコム)の先代チップセット「Snapdragon 8 Gen 1」の性能レベルに到達しているとされる。華為のスマホに搭載される半導体は、米制裁を受ける前の2020年のレベルまでに性能が回復することを意味する。
「麒麟 9100」はまったく新しいCPU(中央演算処理装置)アーキテクチャを採用するとともに、GPU(画像処理半導体)とAIの性能を大幅に高めた。チップ全体のエネルギー効率も向上させており、同チップを搭載する最新Mateシリーズは、プロセッサーの消費電力問題を解決した。
米国は対中半導体規制の一環として、クアルコムの最先端チップを華為に供給することを禁じた。クアルコムは先ごろ、新しい「Snapdragon 8 Elite」チップセットを発表した。CPU性能は「Snapdragon 8 Gen 1」よりも45%向上され、クアルコムの最新最強のチップだ。同チップを搭載するスマホリストに、中国メーカーでは華為のみ名前がなかった。
米国からの制裁を受ける華為は、独自路線での再成長を目指している。スマホなどに使うOS(基本ソフト)「鴻蒙(ハーモニーOS)」に関して、これまでは一部を外国の技術に頼っていたが、基礎的部分まですべて自主開発の技術に切り替えた。操作の円滑性や安全性も大幅に向上し、米Google(グーグル)などのアンドロイドスマホに肉薄する性能を実現。ハードウェアからソフトウェアまで完全に自前で手がけることから、「Mate 70」はシステムの円滑性だけでみれば、アンドロイドスマホを超えたとも言われる。