配車アプリ「滴滴」、海外で大規模リストラか
19日付科創板日報によると、中国配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディ、北京市)が海外事業を対象に大幅な人員削減に踏み切った模様だ。同社は海外で配車サービスやフードデリバリーを手掛けるが、赤字経営が続いており、事業統合を進める。
大幅リストラにより、1,000人を超えていた海外事業のスタッフは100人に減少。メキシコとシンガポールに少数のスタッフを残した以外、南アフリカ、日本、ロシア、中央アジアなどでの事業運営を軒並み停止した。
滴滴は当初、海外事業を国内事業に続く第2の成長の柱とみなして、巨額の資金を投入。22年2月までに、17カ国に進出した。しかし事業は軌道に乗らず、21年は58億元(約1,094億円)の赤字だった。22年も損失計上が確実視されている。
■中国で新規ユーザー登録再開
滴滴は16日、新規ユーザーの登録再開が当局から許可されたと発表した。
「1年以上にわたって国家のサイバーセキュリティー審査に真摯に協力し、審査で指摘されたセキュリティの問題に厳粛に対処し、全面的な改善を行った」とし、「国家網絡安全審査弁公室(サイバーセキュリティー審査弁公室)の承認を受け、新規のユーザー登録を即日から再開する」と明らかにした。
投資銀行関係者は、「滴滴は米ニューヨーク証券取引での上場を廃止後、香港への上場を目指している。利用登録の再開は、同社の事業が全面的に正常化に向かい、再上場を果たすための大きな一歩だ」と指摘した。