トラック5台の隊列自律走行に人員2人、友道智途
大型トラック向け自動運転システムの開発を行う上海友道智途科技(上海市、UTO PILOT)は2日、上海市で開かれていた世界人工知能大会で、人員2人のみによる大型トラック5台による自動運転の隊列走行のテスト段階に入ったと発表した。
これまでの同社のテストでは自律走行トラック2台による隊列走行だったが、今年末までには5台の隊列走行で、人員も5人から2人に減らして走行実験を行う。人員は最前の車両と最後尾の車両に1人ずつ乗車し、中間の3台は無人にする。
2021年11月に設立された友道智途は、自社開発スマートドライブ技術と産業チェーンリソースを活用し、特定シナリオ向けのフィールド自律走行ソリューションを提供している。 出資者には中国自動車最大手の上海汽車集団(上汽集団)や上海港集団、青島海爾集団(ハイアール)など多くの有名企業が名を連ねている。
友道智途は、出資者である上海汽車の過去10年にわたる技術蓄積を基に開発を進めている。 上海汽車は13年から自律走行技術の研究を開始し、19年には大型トラックの自律走行の試験運用をスタートし、大量のデータも蓄積した。 現在、友道智途のL4(特定の条件下における完全自動運転)クラスのインテリジェント大型トラック「Smartway」は、東海大橋で合計300万キロメートル以上をテスト走行し、合計10万TTEU(20フィートコンテナ換算)以上の物資輸送をした実績がある。
同社の「鸿鹄自動運転システム」は長距離センシング、高精度マルチ冗長性ポジショニング、擬人化判断制御の技術を組み合わせた。衛星測位、高精度地図に基づくレーザー測位、ビジョン測位の3つの測位システムを提供し、あらゆるシナリオで測位の冗長性を確保することが可能。 特殊な道路状況下では、あるシステムが故障しても、他のシステムが車両を引き継ぐ形となっている。
友道智途の王瑞最高経営責任者(CEO)は「自動運転の商業化の最大の鍵は、自動運転システムを組み込んだ1台当たり40万〜50万元(約800万〜1,000万円)のコスト増加分を、いかに人員削減でコスト削減できるかにかかっている。トラック5台で2人の人員に削減できなければ1年でコスト増加分が回収できるだろう」と指摘した。
同社は25年に上海証券取引所のハイテク向け市場「科創版」への上場(IPO)を目指している。