ナトリウムイオン電池の衆ナ能源、シリーズAで約3億元調達

ナトリウムイオン電池開発企業の江蘇衆ナ能源科技(ナはかねへんに内、ZOOLNASM、江蘇省蘇州市)は5日、A2ラウンドで資金を調達したと発表した。同社のシリーズA全体の調達額は約3億元(約60億円)に達した。調達した資金は、主に技術開発、生産能力の拡充、市場開拓に充てられる予定だ。
衆ナ能源は2021年1月の設立。ポリアニオン系技術を中核としたナトリウムイオン電池の開発アプローチを採用し、22年には主力製品である硫酸鉄ナトリウム電池を市場に投入した。全固体事前混合技術と低温焼結技術を融合させることで、リン酸鉄リチウム正極材料と比べ、エネルギー消費を30%以上削減し、かつ廃棄物を一切出さない「グリーン製造」を実現した。原材料の利用効率はほぼ100%に達しているという。
さらに25年2月には、江蘇省塩城市でナトリウムイオン電池と全固体電池の中規模量産試験基地の建設を開始。25年4月には、四川省眉山市で西部工場を着工した。同新工場は、江蘇省鎮江市にあるナトリウム正極材料生産基地と連携し、東西の拠点が協調して硫酸鉄ナトリウム電池の国内産業化体制を構築していく方針だ。