華為AI半導体の使用は「世界どこでも」違反、米指針に中国反発

米商務省産業安全保障局(BIS)が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)のAI(人工知能)半導体「昇騰(Ascend)」を世界のどこで使用しても米国の輸出管理規則に違反するとの指針を発表したことについて、中国から反発の声が上がっている。

輸出規制に詳しい匯業律師事務所の楊杰シニア・パートナーは、「米国の今回の行動は、華為が米国の技術とソフトウエアを利用して昇騰の設計と開発を進めた、あるいは華為が米国の技術を用いた設備で昇騰の開発に成功したことを疑っていることを意味する。これは、いかなる証拠がない状況下で制裁を強めたものであり、極めて厳しい規制を講じた理由は“でっち上げ”だ。華為が中国の独自技術を利用したとすれば、昇騰のような高性能な半導体を造り出せないと決めつけるものであり、極めて筋が通らない」と指摘。「米国の新たな指針は、中国企業間の提携を妨害し、中国のAI産業の発展を妨害するものであることは疑いない」と非難した。

BISは新たな指針を発表後、総処理性能、性能密度、メモリー帯域密度などの指標に基づき、高性能半導体の技術輸出を厳しくコントロールするルールを相次ぎ発表した。これは昇騰にとどまらず、規制を超える高性能を持つ中国の先進半導体を使用すれば、世界のどの国の企業であっても米商務省の処罰の対象となり得ることを意味する。

中国商務部の何咏前報道官は15日の定例記者会見で、「米国は輸出規制措置を乱用し、根拠のない、でっち上げの罪名によって中国の半導体製品への規制を厳格化して、中国企業の正当な利益を著しく損ね、世界半導体サプライチェーンの安定に多大な脅威をもたらしている。中国は米国が誤ったやり方を速やかに正すよう促すとともに、中国企業の正当な利益を保護するための断固とした措置を講じる」と述べた。

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