華為のAIチップ「昇騰910B」、NVIDIA「A100」と同等性能=科大訊飛副総裁

華為は2019年に「昇騰(Ascend)910」をリリース(華為より)

中国の音声認識大手、科大訊飛(iFLYTEK、安徽省合肥市)の江涛・副総裁は20日の2023年第3四半期(7~9月)決算説明会で、協業先の中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が開発した人工知能(AI)処理用プロセッサ「昇騰(Ascend)910B」がNVIDIAの「A100」と基本的に同等の性能に達したと説明した。

科大訊飛は今年初め、昇騰を活用して高性能オペレーターを共同開発するという華為との新規協業プロジェクトを始動。2社の技術を持ち寄って汎用AIの新たな土台を築き、自主革新的なソフト・ハードウエアの基礎の上に国産の大規模言語モデルを構築するとの目標を打ち立てた。科大訊飛が近く開催する開発者向けのイベント「グローバル1024デベロッパーズフェスティバル」で、その進ちょく状況を対外発表する予定だ。

華為の半導体開発子会社、深セン市海思半導体(Hi SILICON)は2019年に、「昇騰910」とAIフレームワーク「MindSpore」を発表。2020年に「MindSpore」をオープンソース化した。華為が公式に発表している規格に基づけば、「昇騰910B」の処理速度は、2020年に発表された「A100」より18%遅いとされていた。

22日付IT之家によると、AI業界関係者は「昇騰910B」について、「多くの課題が残っており、シングルスレッド性能は中国の顧客向けに専用開発した高性能GPU『A800』に劣るが、NVIDIAのAI用半導体の対中輸出が制限されたことで、「昇騰」の中国での需要は高まることが必至であり、昇騰の改良は進むだろう。しかも中国のAI開発企業はコンピュータ・クラスターの規模を増やすことで、NVIDIA製チップとの切り替えを進めることが可能であり、大規模言語モデルのトレーニング領域においては、中米の技術差は大きくない」と指摘した。

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