中国自動運転の小馬智行、米ナスダック上場
自動運転事業を展開している中国の新興企業、小馬智行(PONY・AI、広東省広州市)は米現地時間27日、米ナスダック市場に上場した。初日の株価は一時、公開価格を17%上回った。終値は公開価格を約7.7%下回る12米ドルで、評価額は46億6200万米ドル(約7063億円)となった。
目論見書によると、新規株式公開(IPO)で調達した資金は、約40%を自動運転タクシー(ロボタクシー)と自動運転トラック(ロボトラック)の本格商用運転と市場開拓、約40%を自動運転技術開発、約20%を戦略投資やM&A(企業の合併・買収)に充てる。
同社は、「自動運転」への投資ブームが巻き起こる最中の2016年に誕生した。IPO前に実施した7回の資金調達で、合計13億米ドルを調達した。IPO前の外部投資家リストは、13.4%を出資するトヨタ自動車が最上位となっている。
同社はすでに250台のロボタクシーを広州、北京、上海、深センで運用。ロボタクシー配車アプリ「PonyPilot」の登録ユーザーは22万人を超えた。
ロボトラックは、中国重機大手の三一集団傘下でトラック事業を手がける三一重カ(上かんむりにト)と、中国国有の税関・物流大手、中国外運(シノトランス)と協力関係にある。長距離輸送を担う190台の自動運転トラックを運行しており、累計の貨物輸送量は7億6700万トンキロ。
同社は11月、北京汽車集団(北汽集団)傘下の電気自動車(EV)メーカー、北京新能源汽車との間で、L4(特定の条件下で完全自動運転)自動運転技術の開発に向けた事業提携を結んだ。向こう3年内に、レベル4に対応したロボタクシーを北京市に数千台規模投入する計画を掲げた。