米中の自動運転業界でIPOラッシュ、「百度系」企業目立つ

中国の自動運転業界でIPO(新規株式公開)ラッシュが始まっている。自動運転スタートアップの広州文遠知行科技(WeRide)が米ナスダックでの上場を申請したほか、同業の小馬智行(Pony.ai)が米国のナスダック証券取引所またはニューヨーク証券取引所の上場を計画中。上海汽車集団が出資するMomentaも米上場に向けた申請手続きを終えたと伝えられた。

中国の自動運転企業は、百度(バイドゥ)、米Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)、Amazon(アマゾン)、Intel(インテル)など数種の系列に分かれている。中でも百度のビジネス生態系は最も巨大で、小馬智行や文遠知行、深セン元戎啓行科技といった企業群を擁して、国内外で強い影響力を持つ。最近は、これら百度系の自動運転企業が、将来の市場競争を見据えた資本増強に向け、続々とIPO計画を始動させている。

百度の自動運転部門、百度Apollo(アポロ)傘下の自動運転配車サービスプラットフォーム「夢卜快跑(Luobo Kuaipao)」が湖北省武漢市で進める完全無人タクシーサービスを軌道に乗せたことを刺激材料に、自動車業界全体でも高度スマート運転ブームが訪れ、多くのスマート運転関連企業が続々と上場計画を立ち上げており、業界関係者は「2024年は自動運転企業のIPOイヤーになる」とみている。

そのうち、自動運転タクシーなどの自動運転関連サービスを提供するプラットフォーマーと、自動運転車向け部品サプライヤーは香港証券取引所を上場先に選ぶ傾向にある一方、前述の文遠知行や小馬智行といった高度自動運転技術の開発に取り組む企業は米上場を目指すケースが多い。

業界関係者によると、香港はIPOのハードルが低いものの、市場価値が低く、また流動性が時価総額トップ企業に集中しやくすく、「公募割れ」を引き起こしやすい。一方で米国はIPO市場のシステムが成熟しており、当初の想定よりも多く資金を集めることも可能という。

Tags: , , , , , , ,

関連記事