AMD、AIスタートアップと提携しチップとソフトウェアの革新を加速

米半導体大手、Advanced Micro Devices(AMD、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)は、複数のAI(人工知能)スタートアップ企業と密接な協力関係を築き、自社のソフトウェア技術を強化し、より優れたチップ設計の実現を目指している。

近年、AI関連企業がNVIDIA(エヌビディア)製チップの代替を模索する中で、AMDは競争力あるハードウェア製品の開発を本格化させ、サーバーメーカーのZT Systemsなどの企業を買収するなど、その体制強化を進めてきた。

しかし、優れたチップ製品ラインを築くためには、それらを効率的に動かすための強力なソフトウェアが不可欠だ。AMDはここ数週間でいくつかの小規模なソフトウェア企業を買収し、技術者層を厚くする一方、自社のAI向けソフトウェア基盤「ROCm(ロックム)」の強化にも取り組んでいる。

ROCmおよびその他のソフトウェアの改良は、CohereのようなAIスタートアップにとっても追い風となる。Cohereは、OpenAIのように基盤モデルに特化するのではなく、大企業向けのAIモデルの開発に重点を置いている。

CohereのAidan Gomez(エイダン・ゴメス)最高経営責任者(CEO)は、AMDがソフトウェア面で大きな進展を遂げたと評価しており、「かつてはCohereのソフトウェアをAMDのチップ上で動かすには数週間かかっていたが、今ではわずか数日で済むようになった」と述べた。

AMDのForrest Norrod(フォレスト・ノロッド)副社長によると、OpenAIは近く発表予定のAIチップ「MI450」シリーズの設計に多大な影響を与えたという。

この「MI400」シリーズは、AMDが26年にリリースを予定する次世代サーバー「Helios(ヘリオス)」の中核を担う見込み。NVIDIAも同様にサーバー全体を設計しており、AI演算には数百から数千のチップを連携させる必要があるため、システム全体の設計が重要になっている。

サンノゼで開催されたAMDのイベントには、OpenAIのSam Altman(サム・アルトマン)氏も出席し、両社の連携について幅広く語っている。

ノロッド氏は、「OpenAIからの要求は、MI450シリーズのメモリーアーキテクチャの設計や、AIアプリケーションの構築と運用に必要な数千個規模のチップの拡張方法に対して、大きな影響を及ぼした」と述べた。さらに、OpenAIは、チップがどのような種類の数学演算に最適化されるべきかについても重要な示唆を与えたという。

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