中国で人型ロボット開発企業の大型資金調達相次ぐ、30代社長がリード
中国では今年に入り、ロボット開発ベンチャーによる億単位規模の資金調達が相次いでいる。いずれも「90後」(1990年代生まれ)の30代前後の技術者の若者が代表を務めるベンチャーなのが特徴だ。
2日付OFweek机器人網によると、人型ロボットの開発を手掛ける上海智元新創技術(上海市、Agibot)がこのほど、創業以来6回目となる資金調達を行った。調達額は数億元とみられ、人型ロボット開発企業による資金調達としては、今年2番目の規模という。
同社は3月19日に法人登記情報を変更し、資本金を従来の6699万元(約14億円)から6939万元に増やすとともに、株主リストにセコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉中国)、M31キャピタル、上海汽車集団傘下の投資会社を追加した。
消息筋によると、同社のプレバリュー(資金調達前の評価額)は70億元だったが、今回の大型調達を経て90億元に上昇した。
同社は2023年2月に設立されたばかりのロボットスタートアップ。創業者の彭志輝氏は1993年生まれで、動画配信サービス大手のビリビリで自作ロボットを配信するインフルエンサー「稚暉君」として世間の脚光を浴び、2020年に華為技術(ファーウェイ)の「天才少年プロジェクト」選抜を経て、年俸100万元の高給条件で同社に入社。22年末に華為を離れて、起業の道に進んだ。
2月には、同じく「90後」が設立した人型ロボット開発企業、宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)が10億元を調達した。