サムスン、第4世代4nmプロセスを量産開始

韓国サムスン電子は昨年末、先端ファウンドリー(半導体受託生産)で第4世代4ナノメートル(nm)プロセス「SF4X」の量産を開始したことが分かった。AI (人工知能)などのハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野に注力するサムスンのファウンドリー事業の今後の回復に重要な役割を果たすと期待されている。
韓国報道によると、サムスンのファウンドリー部門は昨年11月、第4世代の4nmプロセスの量産を開始した。 サムスンの第1世代4nm量産開始は2021年。
前世代と比べ、第4世代4nmプロセスには改良されたバックエンド(BEOL)処理と高速トランジスタが追加されている。RCレイテンシー(信号の伝搬が遅くなる度合い)の低減が特徴。また、2.5Dや3Dといった次世代パッケージング技術にも対応している。
台湾の市場調査会社TrendForceによると、半導体受託生産(ファウンドリー)世界大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)の昨年第4四半期(10〜12月)の売上高は前年同期比14.1%増の286億5000万米ドル(約4兆2344億7000万円)だった。市場シェアは第3四半期(7〜9月)の64.7%から第4四半期には67.1%に上昇した。
一方、サムスンの昨年第4四半期の売上高は32億6000万米ドルで、同年第3四半期から1.4%減少。市場シェアは第3四半期の9.1%から8.1%に低下した。このような状況の中、SF4Xはサムスン電子のファウンドリー事業拡大の鍵となることが期待されている。サムスン電子の4nmプロセスの歩留まりが比較的安定していること、ファブレス企業の韓国内外のAI半導体の発展が強い需要が追い風となりそうだ。
2nm市場での競争力を高める高NA EUVを導入
サムスンは今月上旬、韓国の華城パークに1台当たり500億円以上するオランダの半導体製造装置ASMLのHigh NA(高開口数)極端紫外線(EUV)リソグラフィー装置「TWINSCAN EXE:5000」を導入したもようだ。同リソグラフィー装置は2nm以下の超微細回路を実現するために必要な装置で、2nm以下の次世代半導体プロセスに使用する計画とみられる。
世界の半導体メーカーも競ってHigh NA EUVを導入しており、米Intel(インテル)は2023年に納入する1号機を含め、計6台の購入契約を結んだとされる。TSMCも最近、2nmプロセスの導入を加速するための装置を導入した。