中国自動車業界、車載半導体の90%を輸入に依存

世界の電気自動車(EV)市場のうち、中国が7割近くを占めるようになっているものの、中国の自動車用半導体チップの9割は輸入に依存した状態が続いており、中国EV産業のボトルネックになっている。

英調査会社Rho Motionの最新調査データを引用してThe Managerが伝えたところによると、2024年9月、世界のEV市場は合計170万台を販売し、過去最高を更新。なかでも中国のEV市場は110万台と世界市場のほぼ66%を占めた。

また1月〜9月の世界のEV販売台数は合計1150万台で、このうち中国のEV販売台数は前年同期比は35%増の720万台だった。中国は世界のEV市場を大きくリードしている。

ただ一方で、中国の自動車向けチップを輸入に依存している。中国工業情報化部の2023年のデータによると、中国の自動車産業はチップの90%以上を海外から輸入しており、このうちコンピューティングと制御チップの依存度は99%、パワーとストレージチップの依存度は92%とさらに高かった。

コンサルティング会社Semiconductor Intelligenceのデータによると、2023年の世界の自動車用チップ市場規模は670億米ドルで、ルネサスエレクトロニクス、NXPセミコンダクターズ、インフィニオン、テキサス・インスツルメンツ、STマイクロエレクトロニクスが世界市場の77%を占めた。

国内の車載チップ産業も近年急速に発展しているが、車載向けのMCU(マイクロコントローラ)、炭化ケイ素(SiC)パワーデバイス、スマートコックピットチップ、自動運転チップなどでは、依然としてほとんどが輸入に依存しているのが現状だ。

例えば、国内の車載用MCU市場では、主にインフィニオン、NXP、マイクロチップ、ルネサスエレクトロニクス、STマイクロエレクトロニクスなどの外資系メーカーが多くを占めている。 比亜迪(BYD)、兆易創新、国民技術、小華半導体、雲途半導体など国内の車載用MCUベンダーもあるが、市場全体のシェアは数%程度とまだ限られている。

スマートコックピットチップでは、吉利汽車傘下の芯擎科技が国産初の7ナノメートル(nm)コックピットSoC「龍鷹一号」を車載することに成功した。その他、芯馳科技や華為技術(ファーウェイ)、四維図新もSoCをリリースしている。しかし、市場全体から見れば、米Qualcomm(クアルコム)のコックピットチップ「Snapdragon」シリーズが依然として圧倒的な地位を占めている。

中国政府は自動車用チップの国産化を推進しようとしている。中国政府は25年までに自動車用チップの国産化比率を20%~25%に引き上げる計画だ。これに応える形でBYDや上海汽車、東風汽車、広州汽車、第一汽車などの国内メーカーが開発を加速している。

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