米エヌビディア、次世代AIシステム「GB300」今秋登場へ

米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)のJen-Hsun Huang(ジェンスン・ファン)最高経営責任者(CEO)氏は18日、台湾・台北市で開催された「Computex 2025」にて基調講演を行い、個人向けAI(人工知能)コンピュータ「DGX Spark」の量産開始や、次世代AIシステム「GB300」の今秋投入計画を明らかにした。

ファン氏は、個人受けAIコンピュータ「DGX Spark」がすでに全面的に量産段階に入っており、数週間以内に市場投入されると発表した。最新のスーパーAIチップ「GB10」と高性能テンソルコアを搭載し、企業や個人ユーザー向けに価格を柔軟に設定。年末商戦に向けて大量出荷が見込まれている。

また、同社は新たにワークステーション製品「DGX Station」を展開予定で、ASUSやDELL、HPなどが年内に同製品を発売するとしている。

さらにエヌビディアは、台湾において半導体受託生産(ファウンドリー)世界大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)や電子機器受託製造サービス(EMS)世界最大手、鴻海(ホンハイ)精密工業と連携し、初のAIスーパーコンピュータを構築する計画を明らかにした。

Blackwell RTX Pro 6000シリーズ発表

講演では、新型GPU「RTX 5060」を搭載したMSI製ノートPCや、8基のGPUを搭載するワークステーション「Blackwell RTX Pro 6000」が公開された。最新のCX8ネットワークカードにより通信速度と省電力性能が向上し、複雑なAIモデルのトレーニング・推論にも対応可能。

CX8ネットワークはPCIe経由で800Gbpsの帯域幅を実現。各GPUに独立したネットワークポートを備え、東西方向の通信速度が大幅に改善されている。

次世代AIサーバー「GB300 NVL72」、今秋登場へ

新たに発表されたAIサーバー「GB300 NVL72」は、72基のAI GPU「Blackwell Ultra」と36基のCPU(中央演算処理装置)「Grace」を搭載し、AI推論・トレーニングの両面で従来の「GB200 NVL72」と比べて50%の性能向上を実現した。1台あたりの価格は370万〜400万米ドルとされ、すでに米Apple(アップル)が10億米ドル規模の注文を行ったという。

エヌビディアが開発したスーパーAIチップ「Grace Blackwell Ultra」は、物理世界のロボットや5G・6Gネットワーク分野でのAI応用に照準を合わせている。ファン氏はこれを「考えるマシン」と呼び、従来のGPUだけでなく、広範な演算資源とAIアルゴリズムを統合した新世代の計算プラットフォームだと位置づけた。

NVIDIA CEO Envisions AI Infrastructure Industry Worth ‘Trillions of Dollars’

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