小米のRV「SU7」が販売失速、4月の新規注文が半減

中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ、北京市)が昨年12月に初めて投入した電気自動車(EV)「SU7」が、販売開始当初の勢いから一転、消費者の関心低下に直面している。
愛集微が伝えた。ドイツ銀行の最新レポートによると、SU7の2025年4月の新規注文台数は前月比で55%急減。5月上旬2週間の注文数はわずか1万3500台にとどまり、3月第2週に記録した週次2万3000台から大幅に落ち込んだ。
小米は4月、SU7で大学生4人が死亡する衝突炎上事故が発生したことを受け、自動運転機能の安全性に対する懸念が高まり、中国当局も関連技術の宣伝活動への規制を強化している。
さらに、上位モデル「SU7 Ultra」のオプションとして提供されたカーボンファイバー製のエンジンフード(約4万2000元/5,800米ドル相当)についても、消費者から「誤解を招く表現だった」として返金を求める声が噴出。小米は「通気孔付き」として紹介していたが、実際には通風機能がなかったことがユーザーによって確認された。これを受け、小米は先週、広報表現の不備を認めて謝罪している。
「供給不足」演出か
また、納車スケジュールについても消費者の間で疑問が広がっている。小米が提示する「最大11カ月待ち」との納期見積もりとは裏腹に、多くの購入者が想定よりも早期に納車されており、一部では「人工的に供給不足を演出しているのでは」との指摘もある。
中国の有名ブロガー「阿祖(アズ)」氏は、消費者が自身の納車状況を入力できるアプリを開発し、実態の把握を試みているという。
コンサルティング企業「LandRoads」は、小米がこれまで成功してきた電子製品とは異なり、自動車という高価格・長期使用型製品においては、消費者がブランドに求める「信頼性」や「長期的な責任」がはるかに厳しいと指摘。販売初期には米Tesla(テスラ)の「Model 3」を一時的に上回る販売台数で注目を集めたSU7だが、ブランド信頼の確立と消費者対応の誠実さが、今後の成否を左右しそうだ。