中国政府、BYDやNIOなど国内9メーカーにL3・L4の自動運転テスト走行を許可
中国工業情報化部、公安部、住宅都市農村開発部、交通運輸部の政府4部門は4日、比亜迪(BYD)や上海蔚来汽車(NIO)など自動車メーカー9社・団体に対し北京市、上海市、広東省広州市など全国7都市でのL3(条件付き自動運転)、L4(特定の条件下で完全自動運転)レベルのインテリジェント・ネットワーク車両(スマート自動運転車両)の公道での試験運転を許可すると発表した。
中国政府の国家基準「自動車運転自動化等級(GB/T 40429-2021)」に定められたL3・L4レベルの自動運転車両に対する中国の政策支援を強める動きで、中国でL3レベルの自動運転の実証実験が拡大年となる。
L3は、制限された条件下で行う自動運転モードで、依然としてドライバーが運転制御を回復できるように注意を維持する必要がある。L2(部分運転自動化)と比較すると、車両による道路環境の監視と理解が人間から車両に移行するため、このレベルから自動運転技術がもたらす利便性がより顕著になるとされる。
工業情報化部など4部門は昨年11月、「インテリジェント・ネットワーク車両アクセスおよび道路通行試行作業に関する通知」を発表し、L3・L4レベルの自動運転車両の仕様の要件を定め、関連規則を整備した。その後、多くの自動車メーカーがL3レベルの路上試験免許を取得したことを正式に発表していた。
今回発表されたコンソーシアムリストに入った自動車メーカーは、比亜迪(BYD)、蔚来汽車(NIO)、長安汽車、広州汽車、上海汽車、第一汽車など9社。全て中国メーカーで、外資系との合弁企業は含まれておらず、中国国内で初めてL3ライセンスを取得した独メルセデス・ベンツとBMWや、米Tesla(テスラ)も入っていなかった。
■テスト道路は2万9000キロメートル
最新のデータによると、2024年4月末時点で、中国はインテリジェント・ネットワーク自動車の試験道路を2万9000キロメートル以上開設されており、道路でのテスト走行の総距離は8800万キロを超えた。
工業情報化部は現在、一部の自動運転車両は量産化に向けた一定の条件を備えているとみているとされる。今回の9メーカーによる公道などでの路上実証実験を繰り返して安全性の保証が確保されれば、一般個人へのL3レベル以上の自動運転車両の販売などを段階的に許可していくとみられる。