米NVIDIAの中国向け新AIチップ「H20」、市場価格は230万円から
米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が中国市場向けに供給する新たな人工知能(AI)チップ「H20」は、市場流通価格が最低でも11万元(227万円)に上昇している。エヌビディアは1万2,000~1万5,000米ドル(約8万5,000~10万7,000元)に価格設定したものの、一部の販売業者が大幅な値上げを開始したという。
米政府の輸出規制を受けて、エヌビディアは、データセンター向けの最先端GPUである「H100」と「A100」を中国に向けて販売できなくなった。さらに、中国市場向けに故意に性能を落として開発した「A800」と「H800」もその後の追加規制に引っかかり、販売できなくなった。
「H20」は、新規制を回避するための中国専用のAIチップで、性能はエヌビディアの最先端チップの2割ほどに抑えられている。
「H20」をめぐっては、多くの中国企業が購入をためらっているとの情報もある。性能を落としたことで現地の代替品との性能差が縮まったためだ。しかし、エヌビディア社が開発・提供しているGPUを利用した開発プラットフォーム「CUDA」が、AI半導体の「エヌビディア一強」体制を強固なものとしていることも事実だ。