世界の半導体製造装置が28年まで不足か
先端封止・テスト装置の納期は18カ月超

韓国メディアETNEWSが2026年7月に実施した調査によると、蘭ASML、米Applied Materials(アプライド・マテリアルズ)、Lam Research(ラムリサーチ)、KLA、東京エレクトロンという世界の主要5社の主力半導体製造装置では、納期が従来の1.5~2倍に延びている。市場需要の急拡大を受け、装置を確保するための「争奪戦」に入っており、納期が大幅に長期化している。
通常、エッチング装置や成膜装置は6カ月程度で納入されていたが、現在では納期が12カ月に達している。先端パッケージング装置やテスト装置では、納期が18カ月を超える状況だという。
この問題は特定地域に限られたものではない。韓国の半導体製造装置メーカーでも、納期が大幅に延びている。韓国サムスン電子やSKハイニックスなどの大手ウエハーメーカーは、装置不足のリスクを回避するため、早期に発注枠を確保している。
韓国半導体協会は、今回の装置不足は短期的な業界変動ではなく、構造的で解消が難しい産業上の供給不足だと警告。2027年以降、世界の半導体製造装置は長期的かつ継続的な供給不足に入る可能性があり、その状態は28年まで続く可能性があるという。
現在の業界が抱える問題は明確だ。世界の大手ウエハーメーカーは、大規模な設備投資を相次いで実施し、工場の建設、資金拠出、人員配置などの前段階をほぼ終えている。しかし、どの工場も予定通りの稼働開始を確実にできる状況にはない。
業界のボトルネックは、これまでの「チップ不足」から、「チップを製造するための中核装置不足」へと移った。海外の主要装置メーカーは、中核部品の不足と自社の生産能力の逼迫という二重の制約を受けている。前工程やメモリ関連装置の納期は、全体として12~24カ月に達している。
中国本土は世界最大の半導体製造装置市場
中国本土は半導体製造装置の最大の消費市場となっている。25年の中国本土における半導体製造装置売上高は493億ドル(7兆8732億円)で、世界市場の約36.51%を占めた。中国本土は6年連続で世界首位を維持している。
26年第1四半期(1~3月)の中国国内における装置売上高も前年同期比7%増の109億9000万ドルとなり、旺盛な需要が続いている。
一方、中国国内では供給構造に明確な弱点がある。現在、国内半導体製造装置の国産化比率は約23%にとどまる。世界的に半導体輸出規制が強化されるなか、中国国内のウエハー製造ラインでは、装置の自立・安定確保に対する需要が一段と高まっている。海外装置の長期的な供給不足と納期の大幅な長期化は、中国国内の半導体製造装置メーカーにとって、国産化を進める絶好の機会となっている。
中国国内の大手ウエハーメーカーは高水準の設備投資を続けており、国内の半導体製造装置業界に安定した需要を提供している。中芯国際(SMIC)は2026年も装置関連の設備投資を80億ドル超の高水準で維持する見通しだ。
長シン存儲(CXMT)は2026年第2四半期に新たな装置入札を開始しており、年間で5万~6万枚のウエハー増産を計画している。これに対応する装置調達規模は350億~430億元に達する見込みだ。長江存儲(YMTC)も第3期生産ラインの建設を着実に進めており、装置調達需要を継続的に生み出している。
現在、半導体製造装置の国産化に向けた競争の焦点は、初期段階の「技術的なブレークスルーを実現し、製品を作れるかどうか」から、「製品を大量かつ安定的に、迅速に納入できるかどうか」へと移っている。
海外装置の納期が12~24カ月に長期化するなか、国産装置の迅速な納入能力が大きな優位性として浮上しており、核心的な競争力となっている。
これまで日本、韓国、欧米企業が長く独占してきた一部の細分分野でも、国産化に向けた明確な進展が見られる。京儀装備などの中国企業によると、海外メーカーの納期の長期化、製品価格の上昇、生産能力不足などを背景に、中国のウエハーメーカーは国産装置の導入を積極的に進めている。温度制御装置、EFEM(装置間ウエハー搬送システム)、真空ポンプなどの分野では、中国製品の市場シェアが急速に上昇しているという。
中国主要装置メーカーの業績は明暗分かれる
2026年8月中旬時点で、中国A株の半導体製造装置セクターは中間決算の発表期に入っている。すでに公表された第1四半期決算や上期業績予想によると、中国の主要な国産半導体製造装置企業8社は、2026年上半期の売上高がすべて前年同期比で増加する見通しだ。増収率は13.87%~69.09%の範囲にある。
拓荊科技は、親会社株主に帰属する純利益が前年同期比488%増となる見通し。2026年第1四半期だけで純利益は5億7100万元(約135億3300万円)に達し、25年通年の純利益の9割を超えた。
中微半導体設備(AMEC、上海市)は、26年上半期の親会社の株主に帰属する純利益が前年同期比282~311%増となり、利益規模は27億~29億元に達する見込みだ。長川科技も、上期の親会社株主に帰属する純利益が前年同期比111~134%増となり、純利益は9億~10億元に達する見通しだ。
盛美半導体(ACM Research)は中間期の親会社株主に帰属する純利益が前年同期比42%増となったが、非経常損益を控除した純利益は15%減少した。業績の伸びは、主に非経常損益に依存している。華海清科と北方華創の上期の親会社株主に帰属する純利益は、それぞれ前年同期比5.95%増、3.42%増にとどまり、増益率はいずれも低水準だった。
芯源微は、上期の親会社株主に帰属する純利益が前年同期比24.70%減少し、非経常損益控除後の純利益も赤字が続いた。2026年第1四半期の非経常損益控除後の損失は757万元だった。
中科飛測は26年第1四半期(1~3月)に親会社株主に帰属する純損失が6800万元となり、赤字幅が拡大した。主な原因は、塗布・現像装置や先端計測装置などの高性能装置で、研究開発から量産採用に至るまで長期の顧客認証期間が必要となることだ。初期の技術開発や製品認証への投資が、企業の収益を継続的に圧迫している。
ただ芯源微と中科飛測の赤字も、先端装置分野における長期的な顧客認証投資が原因だ。塗布・現像装置や暗視野先端計測装置などの中核装置は、半導体製造工程における重要な弱点分野であり、現在も顧客認証と市場導入の段階にあり短期的に利益を生み出すことは難しい。これらの投資が、将来的な市場シェアの拡大と業績の本格的な伸びを支える基盤となる見通しだ。




