中国の露光装置、「依然65nm水準、ASMLに約20年遅れ」

米ゴールドマン・サックスが報告

外資系投資銀行ゴールドマン・サックスが最新の調査報告によると、中国は近年半導体分野で急速に発展しているものの、半導体製造の要となる露光装置(リソグラフィー)は現在も65ナノメートル(nm)世代にとどまり、国際的な大手メーカーに比べて少なくとも20年の遅れがあると指摘している。中国のメディアで話題となっている。

報告書によると、5nm以下の先端プロセスでチップを製造するには極端紫外線(EUV)露光装置が不可欠だが、さらにオングストローム世代(Å級)のプロセスでは、より先進的な高開口数(High NA)EUV露光装置が必要となる。だが、こうした最先端装置を製造できるのは世界でオランダのASMLのみであり、その装置には米国製の重要部品が含まれているため、米国政府は中国向け販売を規制している。

米国とオランダの輸出規制は中国のハイテク産業に深刻な影響を及ぼし、中国のファウンドリーは先端露光装置を入手できず、製造可能なプロセスは7nm世代にとどまっている。ゴールドマン・サックスは、たとえ中芯国際(SMIC)が7nmチップを製造していたとしても、それはASML製の旧式深紫外線(DUV)露光装置を駆使している可能性が高く、中国は依然として自国で先端装置を製造できる段階には至っていないと分析している。

露光技術はシリコンウェハー上に精密な回路を形成する核心工程であり、半導体製造の決定的なボトルネックとされる。現状、世界のリーダー企業であるTSMC(台湾積体電路製造)はASMLの装置を使い、すでに3nmチップの量産に成功、さらに2nm世代の量産を控えている。一方で中国国産露光装置は、依然として旧世代の65nm水準にとどまっている。

さらに報告書は、ASMLが65nmから3nm以下へと技術を進化させる過程で20年もの歳月と400億米ドル規模の研究開発・資本支出を費やした事実を引用し、中国が追いつくには莫大な投資と時間が必要であると強調。加えて、先端露光装置の供給網は欧米を中心とするグローバル企業に依存しているため、中国が短期間で西側水準に到達する可能性は低いとの見方を示した。

「中国は先端半導体の自給自足できる」

中国のネットではこの報告書について、さまざまな意見が交わさている。

騰訊網などによると、あるネットユーザーは「混同を招く表現だが、65nmはチップのサイズレベルではなく、露光装置の精度レベルである。しかも我々が公開した国産露光装置は既に精度28nmまで発展しており、積層技術によって7nmのチップを製造できる」と指摘する。また別のユーザーも「先端チップの製造にASMLの露光装置が必須だなんて誰が言ったのか。中国が先端チップの自給自足を達成する日はすぐに来るだろう」と楽観視する。

さらに別のユーザーは「20年の差というデータは、ASMLが65nmから3nmまで20年かかったことに基づく。しかし中国が3nmに到達するのに20年もかかるはずがない。後発の優位性は、先行者の道を繰り返す必要がないことだ。中国には人材・技術・資金の蓄積があり、国を挙げて取り組む体制もある。かつて航空エンジンの技術差は50年と言われながら、10年もかからずに追いついた」と、中国の国を挙げての累進的な技術進歩の事例を挙げている。

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