TSMC、A14プロセスを28年に量産開始へ

(TSMCの発表より)

半導体受託生産(ファウンドリー)世界大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)は24日、北米で開催された同社の技術シンポジウムで、2028年から次世代の最先端チップ製造プロセス「A14」の量産を開始する計画を発表した。A14プロセスは、現行の最先端技術である3ナノメートル(nm)ノードや、25年後半に登場予定の2nmプロセスを超える革新的技術となる。

TSMCは26年末にはさらに進化した「A16」プロセスの導入も予定しており、AIや高性能コンピューティング分野での需要を見据えた開発を加速させる。

同シンポジウムでは、2024年第4四半期より、パフォーマンス強化版の3nm世代プロセス「N3P」の量産をすでに開始したことも明らかにされた。N3Pは、既存のN3Eに続く第3世代3nmプロセスで、3nm IP資産を活かしながら性能向上を実現。データセンターや高性能アプリケーション向けに最適化されている。

さらにN3Pの次には、さらなる性能向上を狙った「N3X」が控えており、同じ電力消費で最大5%の性能向上、あるいは同じ周波数で最大7%の消費電力削減が可能とされている。

TSMCは着実な技術革新を背景に、米Apple(アップル)やNVIDIA(エヌビディア)など主要顧客からの受注を獲得。今年だけでも約400億米ドル(約5兆7120億円)に上る設備投資を予定しており、AIを中心とした今後の需要に応える構えだ。

同社上級副総裁の張曉強氏は、「半導体の需要は今後も拡大し、30年には業界全体の売上が1兆米ドルを軽々と突破するだろう」と述べた。一方で、米国による大規模な関税発表を受け、市場ではAI需要の過熱感(バブル)に対する懸念も広がっている。

North America Technology Symposium Wednesday, April 23, 2025

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