中国、太陽光発電製造設備の対米輸出制限を検討か

英ロイター通信の15日の報道によると、中国側が高性能太陽光パネル生産設備のサプライヤーと初期的な協議を行い、HJT(ヘテロ接合)技術を含む最先端の技術・設備の対米輸出を制限することを検討していると明らかにした。HJT技術はより高効率な太陽光パネルの製造に必要なものだ。

報道によれば、この措置が実施された場合、米国企業の電力投資を危うくし、宇宙コンピューティング分野での競争を阻害するおそれがある。中国は世界の太陽光パネル部品の80%以上を生産しており、太陽電池生産設備の上位10社のサプライヤーも中国に集中している。

2人の情報筋は、中国側はまだいかなる最終規則も策定しておらず、関連協議も業界が正式な意見を求める段階には入っていないと述べた。

ロイター通信は、この措置が実施されれば、米電気自動車(EV)大手のTesla(テスラ)などの米国企業が国内生産能力の向上を目指して進める工場建設・拡張計画を脅かす可能性があると指摘した。また、中国がすでに主導的な優位性を持つ技術分野において、中国の輸出管理上の優位性をさらに拡大することになる。

この動きは、太陽光パネルを動力源とする宇宙コンピューティング競争に米中の競争が拡大しつつある時期と重なっており、宇宙コンピューティングはテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が注目する重点分野だ。米Google(グーグル)やAmazon(アマゾン)など他の米国テクノロジー企業も地上の太陽光発電と蓄電システムへの投資を進める一方、AI(人工知能)の増大する電力需要を満たすための軌道上データセンターにも期待を寄せている。

注目すべきことに、中国商務部はすでに2022年12月、「中国禁止・制限輸出技術目録」の改定に関するパブリックコメントを公表しており、太陽電池シリコンウエハー製造技術やLiDER(ライダー、高性能センサー)システムなど7項目の制限技術を新たに追加していた。

近年、マスク氏らは中国への依存を減らすために米国内での太陽光パネル生産量の引き上げに努めている。ロイター通信が先月報じたところによれば、テスラは中国サプライヤーから29億ドル(約4611億円)相当の太陽光パネル生産設備の調達を模索している。マスク氏はかつて、太陽光発電は米国の全電力需要を賄えると述べ、28年までに米国本土で100ギガワット(GW)の太陽光製造能力を実現することを目標に掲げている。

ロイター通信は、現時点では制限措置が他の輸出市場に与える影響の範囲、許可要件の発効時期、どの製品が対象となるかは確認できないとした。2人の情報筋によれば、現時点では中国の太陽光発電メーカーは引き続き米国との交渉を続け、太陽光製造設備を出荷しているという。

一方、米国企業は中国の輸出管理を懸念する一方で、自国政府からの圧力にも直面している。昨年7月、トランプ政権が推進した「大きく美しい」税制・支出改革法案が議会で可決された。この法案により、米国は27年末までに国内クリーンエネルギー産業への税制優遇と補助金を段階的に廃止する。米国の太陽光発電・電気自動車などの産業は「壊滅的な打撃」になると強く反発した。ある業界代表者は「27年以降、産業全体を中国に丸ごと明け渡すに等しい」と警告した。

ただし今年3月には、AIデータセンターの電力需要の急増、電気代の高騰、米中エネルギー競争の激化を背景に、トランプ政権の支持者の間でも太陽光発電を支持する声が増えており、トランプ政権も態度を軟化させて一部の太陽光プロジェクトの審査承認を再開したと米メディアは伝えている。太陽光発電はMAGA陣営のエネルギー政策の新たな焦点となりつつある。

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