中国ファウンドリーSMIC、24年売上高が80億米ドルを突破

中国の半導体受託生産大手の中芯国際(SMIC、上海市)が11日に発表した2024年第4四半期(10〜12月)決算によると、売上高は前年比1.7%増の22億700万米ドル(約3392億1590万円)と過去最高を更新した。粗利益率は前年比2.1ポイント増の22.6%。通期の売上高は初めて80億米ドル(約1兆2296億円)の大台を超え、世界第2位のファウンドリーを堅持した。
第4四半期におけるアプリケーション別売上高シェアは、スマートフォンが 24.2%、コンピュータ・タブレットが 19.1%、コンシューマ・エレクトロニクスが40.2%、ウェアラブルが8.3%、産業用・車載用が8.2%だった。地域別では、中国が89.1%、米国が8.9%、ユーラシアが2%。
ウエハーサイズ別では、12インチウエハーの売上高シェアが80.6%に上昇し、8インチの売上高シェアは19.4%だった。
生産能力に関しては、月産能力は24年第3四半期(7〜9月)の8インチ標準ロジックウエハー換算88万4250枚から、同年第4四半期には94万7625枚に増加した。第4四半期の稼働率は引き続き85.5%で、8インチ標準ロジックの販売枚数は合計199万1761枚だった。24 年第4 四半期の資本支出は16億6000万米ドル、研究開発(R&D)費は2億1700万米ドルとなった。
SMICの経営陣によると、未監査の財務データに基づくと、24年通年の売上高は前年比27%増の80億 3000万米ドル、粗利益率は18%。純利益は64%増の約27億米ドルで、上場企業の株主に帰属する利益は14%減の約10億米ドルとなった。設備投資額は73億3000万米ドル、年末までの8インチ標準ロジック月産能力は94万8000枚、総出荷枚数は800万枚以上、年平均稼働率は85.6%だった。
25年第1四半期(1〜3月)については、売上高が前四半期比6~8%の成長、粗利益率は19~21%の範囲となる見込み。25年通年では、外部環境に大きな変化がなければ、売上高成長率は比較可能な同業他社の平均を上回り、資本支出は前年比ほぼ横ばいとなるとみている。
集微網によると、SMICの趙海軍・首席執行官は「現時点では、顧客の製品の在庫は比較的健全だ。最近は自動車など他の産業では国産化による半導体の検証が増えているほか、政府による消費刺激策でスマートフォンなど向けの顧客では在庫を補充する動きが加速している」と分析。車載半導体など自動車製品については、趙氏は「将来の自動車向け半導体製品の売上高を全体の10%を占める目標だ。向こう3年で、国内自動車市場の3分の1を満たすことになるだろう」と話した。
またトランプ米政権の返り咲きなどの地政学変化が半導体業界にも大きな影響をもたらしており、「一部の顧客は生産能力を中国国外に移したり、または市場リスクをヘッジするために、当初下半期に予定していた製品の一部を上半期に前倒しして出荷しいる」と指摘。同時に、半導体供給の現地化を推進する中国政府の動きは、SMICの受注を増加させているとした。
SMIC REPORTS UNAUDITED RESULTS FOR THE THREE MONTHS ENDED DECEMBER 31, 2024