中国で人型ロボット産業勃興、センサー業界に商機

人型ロボットの実用化が推進されるに伴って、障害物の有無や位置、形を検知するセンサーの需要が拡大を続けている。今年は人型ロボット産業が成熟化・大規模化に向かうキーポイントになるとみられており、ロボット用センサー関連企業の商機が期待されている。
人型ロボットは、駆動部、センサー部、制御部などで構成されており、これらの重要部品のうち、センサーは人型ロボットになくてはならない“感覚器”だ。国金証券はこのほどまとめたリポートで、今後の人型ロボット用センサー領域においてとりわけ注目すべき3分野は視覚、力覚、触覚だと報告した。
人型ロボット用センサー事業を巡り、企業の動きは活発だ。産業用ロボットを手掛ける凱爾達ハン(金へんに旱)機器人の人型ロボット事業子会社である凱爾達人形機器人はこのほど、人型ロボット用センサーの開発を進める凱維力伝感の過半数株式を取得し、子会社化したと発表した。
また、車載機器メーカーの均普智能はこのほど、自社の車載用スマート機器の技術ノウハウを活用し、人型ロボット向けアクチュエーター、センサーなどの分野で技術的なブレークスルーを遂げたと発表した。
均普智能は今後、産業用AI(人工知能)や人型ロボットなどの技術をスマートファクトリーの分野で活用していく可能性を探り、顧客により創造的なソリューションを提供していく構えだ。
IoTやビッグデータ、AIなどの技術が進歩を続けるなかで、センシティング技術と人型ロボットの融合・実用化の事例は今後さらに多様化していくとみられる。そうしたなかでセンサーは、人型ロボットの知能化を強力に後押しするキーパーツになるだろう。