中国DeepSeek製AIモデルに震撼、性能はOpenAI「o1」に匹敵

中国のAI(人工知能)開発企業、杭州深度求索人工知能基礎技術研究(DeepSeek、ディープシーク、浙江省杭州市)が開発したAIモデルが、米OpenAIの最新生成AIモデル「o1(オーワン)に匹敵するとされ、業界最大の“ダークホース”として注目されいる。
DeepSeekは先ごろ、最新のAIモデル「DeepSeek-R1」を発表した。数学処理能力やコード生成、自然言語推論などの各ミッションの性能は、OpenAIの最新モデルである「o1(オーワン)」と同等だと主張している。
このニュースは、世界のAI業界を揺るがすとともに、「大規模言語モデル(LLM)技術で中国は米国に追いつき追い越した」と米AI企業の研究者らを驚愕させた。
米Meta(メタ)のエンジニアは、匿名のプロフェッショナル向けコミュニティー「Blind」上で、「メタの生成AI部門は、DeepSeekの登場によってパニックに陥っている。メタのLlama 4はベンチマーク評価が後退した」と指摘した。DeepSeekのトレーニングコストがわずか550万米ドル(約8億5600万円)にとどまる点にも触れ、「エンジニアらは必死にDeepSeekを解析し、可能な技術を複製しようとしている」と現状を伝えた。
米ウェブメディアのTMTによると、DeepSeekは米Apple(アップル)のスマートフォン「iPhone(スマートフォン)」向けアプリケーションのダウンロード数ランキングで8位となり、「Google Gemini」、「Microsoft Copilot」といった米企業の生成AI商品を追い抜いた。
OpenAI、バイトダンス(字節跳動)、アリババなどの国内外企業のAI開発チームは軒並みDeepSeekを研究しており、OpenAIとバイトダンスに至っては、AIモデル開発でのDeepSeekとの提携を考慮しているという。
先ごろスイスで閉幕した第55回世界経済フォーラム年次総会の開催期間中、米AI新興企業のScale AIのAlexandr Wang(アレクサンダー・ワン)最高経営責任者(CEO)は、「DeepSeekは米NVIDIA(エヌビディア)のGPU(画像処理半導体)「H100」コンピュートカード5万枚を持っているようだが、米国による輸出規制違反にあたるためそれ以上は話すことはできない」としつつ、「DeepSeekの性能は米国のトップレベルのAIモデルに匹敵する」と直言。「過去10年来、米国はAI開発レースにおいて常に中国の前を走っていたが、DeepSeekの発表はすべてを一変させるだろう」と述べた。