スマートグラスが量産段階に、光学部品など川上製品の需要拡大へ
AI(人工知能)を搭載したスマートグラスの開発・製造を手がける中国企業の動きが活発化している。量産に動き出す企業が相次いでおり、レンズやモジュールなどの光学部品や、SoC(システム・オン・チップ)、AI計算力、および電池、通信アンテナなどのハードパーツといった川上分野の需要が伸びていくとみられている。
充電器メーカーの閃極科技は19日、中国で初となる量産型のAIグラス「拍拍鏡A1」を発表した。同製品は、百度が提供する「文心一言(アーニーボット)」や、中国の音声認識大手「科大訊飛(アイフライテック)」の「訊飛星火(iFLYTEK SPARK、アイフライテックスパーク)」など、数十社の大規模AIモデルのサポートを受ける。
これ以前には、百度傘下の小度科技が、中国語大規模言語モデル(LLM)を初搭載したAIグラスを発表したほか、上海移遠通信技術がAI搭載のAR(拡張現実)グラスの量産に成功した。光学顕微鏡など光学精密機器を手掛ける江南永新光学は、医療用スマートグラス向けのモジュール開発を終えた。
AIベンチャーの深セン雲天励飛技術は、画像認識AI技術に強みを持ち、閃極科技のAIグラス開発に協力した。
厦門星宸科技は、AIグラス向けのSoCの開発に専念しており、すでに製品開発を終えた。2025年下半期にも同社製SoCを搭載したAIグラスが市場投入される見通しだ。