中国EDAの華大九天、国営企業が支配株主に
EDA(電子設計の自動化)ソフトウエア開発の北京華大九天科技(Empyrean、北京市)は9日、同社の実質的な支配株主が国営企業の中国電子信息産業集団(中国電子)に変更されたと発表した。華大九天は今後、国営企業のリソースと政策支援を得て、技術の研究開発(R&D)を加速し、国際競争力を持つ世界トップクラスのEDA企業になる狙いがある。
中国電子は華大九天の重要株主の一社だった。今回の発表によると、中国電子の支配株主である中国電子集団が中国電子とその完全子会社、中電金投控股が持つ華大九天の株式1億8500万株、34.06%を保有しており、華大九天の株主総会の条件付特別決議に対する拒否権により、同社の事実上の支配者となった。
華大九天は2009年5月の設立。デジタル回路設計EDAツール、ウエハー製造EDAツール、高度パッケージング設計EDAツールなどのソフトウエアを開発している。22年7月には深セン証券取引所の創業板に上場した。 現在の市場価値は700億元以上となっている。
中国電子は国有企業で、中国軟件や中国長城、深科技、冠捷科技などその他多くの技術企業を擁している。今回の買収で中国のEDAソフトウエアと半導体設計の総合力をさらに強化し、内製化を加速することにもつながるとみられている。
米国商務省産業安全保障局(BIS)は2日、中国に対する輸出管理規則(EAR)を改訂版を発表し、華大九天など136社を禁輸リスト(エンティティ・リスト、EL)に追加している。