中国、第4世代半導体材料の開発着々
中国で第4世代半導体の国産化機運が高まっている。足元では炭化ケイ素(SiC)などを中心とする第3世代半導体が成長分野として注目されているが、中国は早くも、その次を行く第4世代半導体材料の研究開発に着手し、大きな進歩を遂げている。
第4世代半導体は、酸化ガリウム(Ga2O3)、ダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)などが代表的な材料とされる。中でも酸化ガリウムは実用化の進展が早いとして、最有望視されている。
中国科学技術部は2022年に酸化ガリウムを「第14次五カ年計画重点研究開発計画」に組み入れた。
中国電子科技集団公司第四十六研究所は今年2月、国内初となる6インチ酸化ガリウム単結晶の製造に成功した。また西安郵電大学は、8インチのシリコンウェーハ上に高品質の酸化ガリウムエピタキシャル膜を作製することに成功した。
企業では、青島華芯晶電科技が2021年に、酸化ガリウム単結晶基板の開発に着手。足元で2インチ酸化ガリウム結晶体の結晶密度を国際レベルまでに低減させた。
中国はガリウムの埋蔵量で世界首位を誇る。2022年1~11月の中国のガリウム輸出量は前年同期比44.1%増の89.35トンだった。中国は、2023年8月1日からガリウムとゲルマニウムの輸出規制を開始した。米国の対中半導体規制に対する報復措置とみられている。