中国でPHV人気、BYDがシェア6割でリード
中国の新エネルギー車販売市場で、プラグインハイブリッド車(PHV)が存在感を放っている。当初はガソリン車から純電気自動車(NEV)に移行するための過渡的技術とみなされたが、ガソリン車とNEVの強みを兼ね備えている点が消費者に見直され、過去2年はNEVの伸びをしのぐ勢いで販売を増やした。
比亜迪(BYD)はPHV技術で中国をリードするメーカーの1社。24日付界面新聞によると、同社のシニアエンジニアは23日、中国PHV市場でBYD車はシェア60%を掌握している」と明かした。
BYDは5月、第5世代となるPHEVシステム「DM-i」を発表し、同技術を搭載した「王朝」シリーズの新型セダン「秦L」と「海洋(Ocean)」シリーズの新型セダン「海豹06」を世界初公開した。その後まもなく、同技術を搭載した「王朝」シリーズのSUV(スポーツ多目的車)「宋L」と「宋PLUS」を発売した。
同社によると、「DM-i」技術の最大のポイントは、2.9L/100kmという低燃費と、46.06%という世界最高水準の熱効率で、2100kmの航続距離を実現したことにある。
前述のシニアエンジニアは、今後2年でユーザーにとって最も有用な技術をパッケージ化し、低価格のローエンド乗用車市場にも食い込んでいくと表明。次世代の「DM-i」技術の開発に向けた議論も進んでいると明かした。
中国のその他の主要自動車メーカーもPHV技術を擁しており、奇瑞汽車の「C-DM」、吉利の「雷神」、長城汽車の「Hi4」、栄威の「DMH」などがある。
PHVの成長を見据え、海外の大手メーカーもPHV投入拡大を考慮し始めている。独フォルクスワーゲン(VW)は5月、PHVの商品ラインナップ拡大を宣言。米フォードもこのほど、EV投資を縮小し、PHVの技術開発を強化すると発表した。