中国EC大手、事業の低炭素化に本腰

アリババはCO2削減量64%増

中国大手電子商取引(EC)企業がサスティナブルな取り組みを本格化している。EC最大手の阿里巴巴集団(アリババ、浙江省杭州市)が22日発表した「2024年環境、社会及びガバナンス報告書」によると、同社が2024年度の自社運営で排出した二酸化炭素(CO2)の削減量は232.0万トンとなり、前年度比63.5%増加した。

アリババは2022年からESG年次報告書を公開している。2024年度は、自社運営でのCO2排出量とバリューチェーンのCO2放出強度をともに減らす「双降」目標を達成した。クリーンエネルギーの使用比率は39.0%に達し、バリューチェーンの売上高100万元(約2119万円)当たりのCO2排出量は8.1トンと前年度比7.0%減少した。

アリババグループの物流関連企業である「菜鳥網絡」は、受注、倉庫、パッケージング、輸送といった各プロセスでCO2削減の取り組みを展開し、自己運営とバリューチェーンで合計45万8000トンを削減した。アリババクラウドは、より低炭素な計算力インフラサービスを提供し、ユーザーサイドのCO2排出量を988万4000トン削減する成果を得た。

アリババにとどまらず、中国のEC大手はESGの取り組みを強化している。京東集団(JDドットコム)は今年発表した財務報告書にESG関連の専門項目を設定した。同社は物流センターの屋上に太陽光パネルを設置する取り組みを進めており、これまでの設置容量は114.48メガワットに達した。

唯品会(VIP.com)は25日に発表したESG報告書で、華中物流センターと各営業拠点に設置した太陽光パネルの23年の発電量が5万8355メガワット時に達し、約3万2000トンのCO2削減効果を得たと発表した。

2024 Alibaba Group Environmental, Social and Governance(ESG)Report

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